7月号の記事で、ソーシャルテレビアワード2015の大賞を、朝日放送の『バーチャル高校野球』が受賞したことを書いた。この受賞は、2014年夏の大会のネット配信に対してだった。
→ソーシャルテレビアワード2015発表!大賞は「バーチャル高校野球」(朝日放送)!〜ソーシャルテレビは定着期を迎えたのか〜
記事の中でも少し触れたが、今年、2015年からは朝日放送と朝日新聞が提携し、同じサイトで動画も記事も配信していく。その今年の大会はこの8月6日からはじまった。
そこで、大会のスタートに合わせて今年の『バーチャル高校野球』はどう進化したのか、朝日新聞と提携することで何が変わるのかを取材した。テレビ局と新聞社ががっつり組むと、どうなるのか。見どころ(大会の見どころではなく、サイトの見どころ)を聞いてみた。
●今年は中継以外も充実させて一歩も二歩も踏み込んだ配信に
取材に応じてくれたのは、朝日放送東京支社の中村大輔氏と岸本拓磨氏、そして朝日新聞社のデジタル本部・三橋有斗氏のお三方。
左から、朝日新聞・三橋氏、朝日放送・中村氏、岸本氏。
中村氏は大阪本社時代から高校野球を担当してきた。話しぶりから、野球というコンテンツへの愛が伝わってくる。ネット配信に取組む意義を聞くと、「ユーザーがどこまでコンテンツに満足してくれるか、もう一歩、もう二歩と進んできた結果です。」と答える。例えば、今年は地方大会も配信し、全国大会期間中もアーカイブで視聴できるようにした。
もちろん、各地域のローカル局の協力なしにはできないことだ。協力を仰ぐ際は、去年の成果も数字で説明しつつも「結局は、高校野球への愛ですね。お互い、愛があるから通じ合えたと思います。」と、共感の大切さを強調する。
今年の配信の売りのひとつが、ハイライト映像だ。毎日、その日の試合のハイライトシーンを編集して2分半程度の映像にするという。翌朝、通勤時間に観てもらうためだ。だが毎晩テレビで『熱闘甲子園』を放送するので、現場は終了後に夜通しの編集作業となりそうだ。「それもスタッフの野球への愛で乗り切る」という中村氏は、話そのものがスポ根ドラマのようで惹きつけられる。
●朝日新聞社が「バーチャル高校野球」で朝日放送とタッグを組む理由(ここから先は登録読者のみ)
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