テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2021年02月号

日本の広告費2020発表、コロナ禍でインターネット広告に突き放されたテレビ広告

2021年02月26日 09:35 by sakaiosamu


※グラフは電通発表・日本の広告費2020より筆者作成

昨日2月25日、電通が毎年この時期に発表する前年の日本の広告費の2020年版が出た。まずは当該ページに一通り目を通してもらいたい。→「2020年日本の広告費」

筆者は2000年台から毎年この数値をチェックし、グラフにしてきた。これまでは1985年以降の数値をグラフにしてきたが、さすがに横に長すぎるのでここでは2000年以降でグラフにした。この20年のメディアの栄枯盛衰が見てとれる。

2000年台は、テレビ=2兆円、新聞=1兆円の水準だったのがリーマンショックで崩れ、彗星のようにデータ上に登場したインターネット広告費がまず2009年に新聞広告費を抜いた。その後もインターネット広告費が急上昇する一方で、テレビ広告費は意外に漸増を続けた。筆者の推測では、新聞広告予算をじわじわテレビが吸い取っていたせいだと捉えている。

それが2016年以降はテレビ広告費も漸減に転じ、一年前に発表された2019年の集計で、インターネット広告費に抜かれたことがわかった。2020年はコロナ禍で広告費全体が大きく減少し痛手を喰らう中、当初は同じように前年比減となったインターネット広告費は増加に転じ、結果的には前年の105.9%と増加した。その結果、インターネット広告費がテレビ広告費を大きく突き放す状態になった。2015年にはテレビとネットの差が6500億円程度あったのが、2020年には逆にネットとテレビの差が6900億円になった。この5年間でテレビとネットの位置が入れ替わった形だ。

筆者は先日、東洋経済オンラインにこんな原稿を書いた。

→「テレビ画面争奪戦」に負けた放送局のしくじり(東洋経済オンライン2月16日)

ここで書いたのは広告市場とは別の話だが、配信に画面争奪戦で負けたことと同様、広告市場でもテレビはネットに完全に敗北したと言える。東洋経済にも書いたが、テレビがネットを前に無策だったことの表れだ。5年間で入れ替わったのは、5年間ネットの浮上を指をくわえてみていたからだ。そんなことはない、という人には次の数値も見つめてもらいたい。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

clubhouseで起こりつつある、メディア業界の新しい「連帯」

2021年02月号

映画産業は大きなターニングポイントを迎えた〜「劇場+配信」型へ

2021年01月号

YouTubeがテレビのビジネスモデルに取って変わる?〜中田・宮迫の「Win Win Wiin」

2021年01月号

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2021年04月号

春は来た。すでに桜は散り始めたが、コロナは居座り続けている。メディアの世界...

2021年03月号

ネットに配信されたテレビ番組をテレビ画面で見るとき、私たちが見ているのはネ...

2021年01月号

もうヤバい!レガシーメディアは崩壊寸前の危機に陥っている。今までとはまった...