テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2021年02月号

2月21日、集合せよ〜西田二郎氏に「未来のテレビを考える会」について聞く

2021年02月16日 15:09 by sakaiosamu

読売テレビの西田二郎氏と知り合ったのは2012年ごろだったと思う。同社の方が私の勉強会に連れてきたのだ。当時は看板番組「ダウンタウンDX」の名物プロデューサーとして知られていた。とにかくよくしゃべるよくしゃべる。大阪のテレビ制作者はこういうものなのかと思ったが、こんなにしゃべるのは彼くらいだと後でわかった。

そして好奇心旺盛。新しいものが好きというより貪欲で、Twitterも始めてすぐにフォロワーを10万人まで増やすと宣言し、本当にあっという間に達成してしまった。勉強会でさっそくそのことを発表してくれと頼んだが、パワーポイントなんか使ったことないという。気後れしたかと思ったが、発表の日には文字だらけのパワーポイントでみんなを沸かせたのだから大したものだ。

一方で真摯な姿勢で驕り高ぶることはなく、むしろ腰が低い。誰にでも誠実に接するし、困ってる人は面倒見良く世話してあげる。そんな稀有なキャラクターだ。

出会った頃に彼は北海道テレビ「水曜どうでしょう」の藤村忠寿氏と大いに盛り上がっている最中で、2人でなぜかテレビ埼玉で「たまたま」という奇妙な番組をやっていた。2人で出て、予算がないのでしゃべるだけだったのが、たくさん人が集まってきてその参加料を制作費に充てたり、熊谷市の百貨店がスポンサーになってくれてそこを会場にして収録したりしていた。2人の活動を、私はブログに何度か書いている。

→2013年、もっとも最先端でもっとも地味だったテレビ番組の話

西田氏と藤村氏が中心になって立ち上げたのが「未来のテレビを考える会」だ。この2月7日に久々に表立った活動をした。MediaBorderでも紹介した静岡新聞SBSによる「マスコミやめる」宣言を題材に、中心人物・奈良岡将英氏と参加者をZoomでつなぐイベントだ。私も参加し、大勢の人びとが集まった。放送局関係者が中心だが、学生さんなど様々な参加者がいた。

西田二郎氏と久しぶりに話したくなり、この「未来のテレビを語ろうオンライン」についてzoomでインタビューした。

私の質問にもちろん関西弁で答えてくれたのだが、うまく文章表現に落とし込めないので標準語的な文体で書いていく。

そもそも「未来のテレビを考える会」とは何なのか。2014年に設立した意図は、このWEBサイトに書いてある。

「未来のテレビを考える会:発足の経緯」

とはいえ、あらためて聞いてみると、こう答えてくれた。

「テレビやラジオに関わる方々に希望を持ってもらうための活動をはじめました。まだまだこんなことができるんじゃないかと元気づけ、放送局の皆さんの発奮材料にしてもらうことが会の趣旨です」

最初の頃、早稲田大学の大隈講堂でメディア志望の学生さんを集め、西田氏藤村氏を含む総勢7〜8名の各局のプロデューサーたちが集まりトークイベントを開催した。2、3年続いたと思う。

「メディアを愛してもらいたいし可能性あるのだとわかってもらうための早稲田での活動でした。その後は、民放連の方とお話ししてローカル局のリクルーティングに貢献すべくイベントをやりました。あるいは、何十人かで議題もなくとにかく集まったりもしました。スローガンを掲げるより集まることに意義があったんですね」

私は早稲田のイベント以降、活動を知らずにいた。

「会があることをアピールするのは目標ではなかったので、”ひたひた”とやっていました」

”ひたひた”と強調していうのがおかしくて私は大笑いした。

2月7日のZoomイベントはなぜやることになったのか。

「今回静岡新聞SBSさんが打ち出したスローガン”マスコミやめる”は自分たちだけでなく、みんなに向けて発信してくれてるんじゃないかと思ったんです。それに決してネガティヴではなく、プラスの意味で”やめる”と言ってる。絶対話したいと奈良岡さんを紹介してもらいました。そしたら境さんとかみんな知ってるんや、はよ言うてくれやと思いましたわ。がはははは」(ここだけ言ったままじゃないとニュアンスが伝わらないので関西弁で)

2月21日には「未来のテレビを語ろうオンラインVol.2」として「clubhouseとテレビとラジオ」をテーマにまた開催する。2月を皮切りに定期的にやっていくのかを聞いた。

「たまたま”マスコミやめる”についてオンラインでやろうと集まったら、そこにclubhouseがわーっと盛り上がった」だから続けて開催することになったけれども、その次は別に決めてないそうだ。

そこからclubhouseについて熱を帯びて話し出した。

「例えば夕方のテレビ番組で呼びかけるのとclubhouseで呼びかけるのと、集まる人数は変わらないかもしれない。エンゲージが高いんですよ。それにテレビでは10分のVTR作るのはえらく力がいるのに、clubhouseの10分はあっちゅうまなんですよね。ただのおしゃべりなのになんか聞けちゃう。作り込んだものとは違いますよね」

どうやらそうとうclubhouseの面白さに惹かれている様子だ。

「何かエキス混ぜてんちゃうかと思うんですよ」と言い出した。

「clubhouseは沼だ、これは沼だ!とハマる人と、こんなのいやだと拒む人ときれいに分かれません?聞いてられないという人と、ズブズブハマる人といて、中間がいない。何かのエキスが入ってて、エキスが嫌やという人とエキスが好きという人と、分かれるんじゃないですかねえ」という西田氏はもちろん、すっかりエキスにやられている。

「アトラクティブなものって何か本質を掴まないと転用できないじゃないですか。そこで次のオンラインイベントは、clubhouseとテレビとラジオというテーマにしました」

たまたま静岡新聞SBSの「マスコミやめる」に興奮し、それをやってる最中にclubhouseにのめり込んだのでvol.1とvol.2を続けることになった、ということだ。なるほど、嗅覚の赴くままに動く西田二郎らしい。

ということで、2月21日の夜8時から、みなさんも参加してみてはどうだろうか。

申し込みフォームはこちらだ↓

https://forms.gle/uxGbp1V3RB93kcqG6

インタビュー後、2人でclubhouse「西田二郎と境治が未来のテレビを語る」をやってみた。夜8時半にスタートしたのが、11時まで止まらなかったのは言うまでもないだろう。21日も終了後にclubhouseを立ち上げて夜中までやろうと言っていたので、参加する方はご覚悟を。

 

 

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