テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2020年05月号

テレビ局は、売上をどれだけ下げずに済むかの期間に突入

2020年05月15日 09:17 by sakaiosamu

5月14日、テレビ局のキー局決算が出そろった。言うまでもなく各局とも売上利益を下げている。ここで言う各局の売上とは単体のことだ。キー局はどこも持株会社制に移行し、グループ全体の数字が前に出るようになった。MediaBorderはテレビ局単体の数字を見ている。その方がメディアとしてのテレビを考える題材として適合するからだ。

単体の数字も、テレビ局は様々な事業に取り組んでいるのでなかなか把握しにくい。MediaBorderではとくに「放送収入」をピックアップしている。メディア事業としての直接的な状況がわかるからだ。

上のグラフは、会社全体ではなく放送収入の増減額のみに着目して作成したものだ。タイム、スポットが各局どれくらい伸びたか下がったか。見て明らかなように、全局ともタイムもスポットも前年から大きく下げている。

まず目につくのがテレビ朝日だ。タイムも落ちているがスポットの前年から下がった額が大きく、痛々しいほどだ。この傾向は、前の年から続いている。

2018年度、つまり一年前の決算から放送収入の増減だけを抜き出してグラフにしたのがこれだ。グラフのフォーマットが違うのはご容赦願いたい。前年度はタイムは伸びたがスポットは各局ともダウンしていた。テレビ朝日だけはタイムも下がっている。

この増減を2年分合わせてみると、テレビ朝日の大幅減は明らかだ。視聴率で首位日テレを追い上げているはずなのにどういうことだろう?理由ははっきりしている。世帯視聴率を追求しても売上に結びつかないのだ。なぜこのことが問題にならないのか理解に苦しむ。株主の皆さんはほっといていいのだろうか。

個別のことは置いといてどの局にも言えるのは、このスポット減収の勢いのままコロナ禍を迎えたことの重みを考えるべきだろう。2019年度の決算にはもちろん3月も入っているが、コロナ禍の影響は売上的には4月以降だ。5月は各局とも前年比6割もしくはそれ以下が見込まれている。これがいつまで続くのか。テレビ局にとってコロナ禍はこれから本当の影響が出てくる。

ところで今回の決算でもう一つ印象に残ったことがある。

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