※画像は橋本氏の論文より
Introduction
MediaBorder購読者の一人であり、社会情報大学院大学でローカル局について研究している橋本純次氏に寄稿をお願いした。同氏の最近の論文「視聴者の流動性を背景とした民放テレビ局の役割」を拝読し、その内容をもとにMediaBorder読者向けに書いてもらいたいと考えたのだ。コロナの影響も加味した、考えさせられる内容となったので、ぜひお読みいただきたい。また橋本氏にはこの寄稿をもとにミライテレビ推進会議の会合で講演をしていただく。本誌考読者ならどなたでも参加できるので、希望者はご一報を。
書き手:橋本純次(社会情報大学院大学・専任講師)
<プロフィール>社会情報大学院大学 広報・情報研究科 専任講師。東北大学 大学院情報科学研究科修了。博士(学術)。社会情報大学院大学助教を経て、2020年度より現職。専門はメディア文化論と公共政策。主な研究領域として、放送政策、民放地方テレビ局、オーディエンス研究など。
新型コロナウィルス感染症の収束後も、我々の生活が元に戻ることはないらしい、ということがわかってきた。人口の一極集中がリスクでしかないことが認識された後の社会において、民放地方テレビ局(以下、「地方局」)はいかなる役割を果たすことになるのだろうか。本稿では、コロナ禍以前の地方局に積み残されていた課題から紐解いてみたい。筆者は2018年に、流動化する社会における地方局の役割について検証するため、県境を越えた転居を経験した20代〜60代の男女20名に対してインデプスインタビュー調査を実施した。詳細な内容については他稿に譲るが、このなかで明らかになった2つのことを手がかりとして共有する。
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