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2020年05月号

TVerはスマホのTVになれるか?〜株式会社TVer誕生!社長にはTBSから龍宝氏が就任〜

2020年05月30日 10:18 by sakaiosamu

株式会社プレゼントキャストが株式会社TVerに名称を変更し、代表取締役社長に龍宝正峰氏が就任することが本日5月29日のリリースで発表された。6月30日の株主総会・取締役会で決議され、7月1日から新社名で始動する。

プレゼントキャストは2006年に電通と在京キー局、そして博報堂DYメディアパートナーズ、 ADK、東急エージェンシーの出資で設立。当初はDOGATCHというテレビ局の動画配信ポータルの運営がメインだった。その後も、動画やネット周りのテレビ局の共通の受け皿の役割を果たし、2015年にスタートしたTVerの運営も担当した。またオリンピックやワールドカップではそのたびに同時配信やネット独自の配信でテレビ放送をサポートしてきた。

プレゼントキャストがTVerとなるのではとの噂は去年あたりから聞こえてきていたが、おそらくひそかに進んでいたのだろう。コロナ禍に乱されることなく成就したのは、各局担当者が根気よく議論を進めてきたことと推察する。

TVerに名称を変えるに当たってキー局による70億円の増資も行われた。これにより筆頭株主が電通からテレビ局側に移る。これまではテレビ局のサポート業務を電通など代理店側が主体で引き受けるスタンスだったが、この資本構成の変化と大きな増資は、テレビ局が連携して本気のビジネスに育てていく決意が感じられる。TVer設立の中心人物だったTBSの龍宝氏が社長となることには各局とも異論がないところだろうが、会長にフジテレビの川島徳之常務が就任する他、在京キー局それぞれのキーマンが取締役に就く。いわばキー局全体の子会社のようなスタンスでTVerの見逃し配信を成長させる意気込みだと思われる。

TVerの見逃し配信は番組の前後のCM枠をセールスすることで売上としている。5月20日付の日刊合同通信によると、昨年は70億円だったのを今後、500億円にまでもっていきたい目論見らしい。今回の増資と体制変更でその目的へぐっと押し上げることが期待される。

ただ、TVerにとって課題は山積みだ。何しろ、ライバル関係にある5局の共同事業だ。温度の違い、考え方の違いがある中で、スピード感を持って業務を進められるのか。筆者が気になるのは、以下の5点だ。「同時配信」「ローカルの居場所」「データ取得」「見逃しの収入は伸びるか」「事業としての独立性」。以下、それぞれ解説しよう。

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