上の画像は、放送業界誌「GALAC」2020年6月号の私の連載「MediaExplosion」の記事だ。4月10日の締切でこのテーマで、緊急事態宣言は5月6日には解除できていない前提で書いたのだが、大筋この通りになりつつある。まあ誰しも想像できた事ばかりではあるが。
「4月後半からは新作ドラマも途中までで過去作の再放送で繋ぎ、バラエティも編集版で何とか繋いでいるはずだ」「ニュースやワイドショーはすでにスタジオは一人で、それ以外は別室や自宅からコメントしているだろう。」などなど、実際に今そうなっている。
それに続けて「Zoomを介したコントだってできるかもしれない」「リモート同士だからこそ可能になる新しいバラエティができるかもしれない」などとも書いている。それが「コロナ時代のテレビ」だと言っているわけだが、これはもう一部で始まっている。リモートで会話するドラマも放送されているので、日本のテレビ制作者たちも大したものだと思う。もちろんうまくいってないものもあるだろうが、制約があればその中で面白いものを作る才覚は素晴らしいと思った。
一方、テレビ局のビジネス面はかなり厳しくなっている。5月のスポット収入は6割を切るところが多いようだ。当面はそんな状態が続くのだろう。
アメリカ広告業界団体IABはネット中心に様々なデータを開示しているが、マス広告もネット広告も大幅に前年比ダウンで、その傾向は6月までも続くと多くの関係者が見ている。7月以降もどうなるかさっぱりわからない。NY年封鎖が解かれつつあり日本より状況が先行している米国でもそんな様子なら、日本で先のことが読めるはずはない。6割を切るのは最低ラインかもしれないが、さほど上向くこともない状況が続くと想像できる。
番組は工夫できても、CMセールスはどうしようもないだろう。
ただ、もともとスポット収入は前年比で大きく下がっていた。下げは続いただろうし、ゆくゆく来るべきことがギュッと凝縮して起こっているということだろう。覚悟していたことが一足早く、キツい形で押し寄せているのだ。
ネットでのビジネスに進むしかない!
CMセールスはどうしようもない。だが番組制作がコロナ時代のテレビを創造しつつあるように、ビジネス面でもコロナ時代に対応したやり方を「創造」するしかないと思う。そしてそれは結局、取り組むべきだったことに時計を巻いて取り組む、ということのはずだ。それは結局、ネットでのビジネスを早急に具現化することではないだろうか。
やるべきことはもう決まっていると思う。
読者コメント