テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2020年03月号

イベントレポート「地域とテレビの未来を考えるシンポジウム in 福岡」《中編》

2020年03月23日 16:36 by sknsdys
2020年03月23日 16:36 by sknsdys

ビジネスプレゼン「地域テレビ局に新たな成長をもたらす仕組み」

 ローカル局が直面するビジネス面の課題解決のヒントを提供すべく、放送局のパートナーとなりビジネスを行う3社からプレゼンテーションが行われた。
(文・写真/関根禎嘉)


(左からラクスル 手塚裕亮氏、エム・データ 薄井司氏、インテージ 深田航志氏)

ラクスル・手塚裕亮氏

 印刷のシェアリングプラットフォームで培ったノウハウをテレビCMに応用し、“運用型テレビCM”を展開するラクスル・手塚裕亮氏は、「ラクスルの狙うテレビCM産業の活性化とは」と題してプレゼンした。手塚氏は、テレビCMの課題は「いかに新規顧客を獲得するか」「いかに価格を上昇させるか」の2点にあるとし、取り組みの内容を動画で紹介した。ラクスルは、印刷通販という“異業種“からのテレビ業界の参入であることが奇異に見られることもあるが、同社の物流事業「ハコベル」も合わせ、3つの事業のビジネスモデルは同じだと言う。印刷、CM、物流の共通点として、数社寡占による多重下請け構造、運用も含めたプラットフォーム構造、新規顧客による産業活性化の可能性、規模による効率化の4点を挙げた。そして、ラクスルがテレビCMプラットフォームに乗り出しているのは、ラクスル自身がテレビCMで成長を果たしたからだ。売上高半分以上を広告費に投入し、売上を伸ばしてきた。スタートアップらしく、利益より売上高を伸ばす方向にフォーカスすべきという経営判断だ。その結果、テレビCM事業はまだ赤字ではあるものの、売上額は20~30億円、顧客は200社を数えるまでになった。


 ラクスルの具体的な手法はこうだ。

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