テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2020年03月号

イベントレポート「地域とテレビの未来を考えるシンポジウム in 福岡」《前編》

2020年03月23日 16:35 by sknsdys

 さる2月25日、福岡・天神のソラリア西鉄ホテル福岡で「地域とテレビの未来を考えるシンポジウム in 福岡」が開催された。コロナウイルスの感染拡大が懸念されたが、全国のローカル局幹部を初めとして約100名が参加する盛況だった。Media Borderでは、このシンポジウムの模様を3回に分けてレポートする。
(文・写真/関根禎嘉)

開会宣言

 シンポジウムは主催者である境治の開会宣言からスタート。境は、自らの郷里である福岡でこのシンポジウムが開催できたことの感慨を語ってから、なぜ「地域とテレビの未来」を考えるのかについて述べた。世界にもまれな東京一極集中の構図から日本を変えるには地域が必要である。今日に至る発展には東京中心のネットワークがあったことは事実だが、メディアの発展は「中心」がたくさんある状態を作らないと実現しない。境は、このような視点で情報発信を行ってきたが、本シンポジウムもその延長線上にある。自民党放送小委員会も、総務省の放送諸課題検討会も地域メディアの重要性は共有しており、キー局含め地域メディアについての議論は繰り広げられている。しかし、その舞台は東京である。やはり、地域のことは地域で議論していくべきである―こうした趣旨から、このシンポジウムの招待状は東名阪を除くローカル局に送られた。そして、実際に会場が埋まるほどの出席が得られたのだ。

 では、ローカル局が直面している課題とは何か。境はふたつ挙げた。ひとつは、「広告収入の減少」というビジネス面の課題だ。これを解決するには、テレビCM収入を再び向上させることか、ネット広告を収入源にすることが必要だ。民放ビジネスの根幹である前者を達成するには、単価アップか新規獲得が必要となる。決して簡単ではないが、最初に取り組むべきことだ。もうひとつは、「地域との関わりを高める」という公共性の面の課題だ。民放が公共性の高いメディア企業であっても、営利企業である以上利益を追求する必要がある。地域との関わりを高めることが収入増に繋がるのだろうか。境は「あるはずと思っている」と力を込める。本日の登壇者の話にはそのヒントが込められている。

キーノートスピーチ・九州TSUTAYA 代表取締役社長 高原祥有「テレビは地域と生きていく」

 続いてキーノートスピーチとして、九州TSUTAYAを率いる高原祥有氏がマーケティング視点を交えて地域とテレビの関わりについて語った。

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