電通から「2019年日本の広告費」が発表された。例年は2月下旬だったが今年大きく遅れたのはウイルスの影響だろうか?
上のグラフは、発表されたデータからテレビ(地上波のみ)、新聞、インターネット広告費に絞って取り出して作成したものだ。テレビ広告費は電通のまとめでは衛星放送も入れた「テレビメディア広告費」の方が使われることも多いが、ここでは地上波テレビに絞って見ている。
ネットがテレビをグンと大きく抜き去ったのが一目でわかる。昨年のグラフではテレビとネットがちょうどくっついた状態だったので、この一年でテレビはネットに突き放されたのだ。
参考:昨年の記事「今この瞬間、インターネット広告費がテレビ広告費を追い抜こうとしている〜「2018年 日本の広告費」発表〜」
ただ、このネット広告費が”グンッ”と伸びているのにはワケがある。「物販系ECプラットフォーム広告費」という新たな項目が加わっているのだ。これまでもECサイト上の広告費はネット広告費の中に一部は入っていたそうだが、今年はより詳しく調査し新たに加えている。要するに楽天やアマゾンの中の広告で、これまでは把握しにくかったのだろう。だがかなりの規模になってきて無視できなくなってきたし、楽天と電通が提携したこともあるのだと推察する。
一方テレビ広告費(地上波)は「スポットが減っている!」と言われていた割には2.8%ほどのダウンで済んでいる。5%くらい減って1兆7千億円を切るのではよ予想していたが、さほどでもないという印象だ。だがもちろん、これからますます下がるだろう。本格的ダウンは今年からかもしれない。
今後へのヒントがこの発表から読み取れないだろうか。
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