テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2020年03月号

イベントレポート「地域とテレビの未来を考えるシンポジウム in 福岡」《後編》

2020年03月27日 13:27 by sknsdys

パネルディスカッション「テレビ局は地域社会にどう貢献しどう生きていくか」

 プログラムの最後は、西日本地域で地域との先進的な取り組みを行っているローカル局3局のトップによるパネルディスカッションである。鹿児島・南日本放送(MBC)代表取締役会長・中村耕治氏は、いわばこのシンポジウムの生みの親のような存在だ。昨年、境が地域主体でテレビのことを考える団体を作りたいと相談したとき、シンポジウムを開いたらどうかと提案したのが中村氏だ。福岡・九州朝日放送(KBC)の代表取締役社長・和氣靖氏も、境に対して同様のアドバイを行ったという。そして、愛媛・南海放送の代表取締役社長・田中和彦氏には、境が会食をした際に直々にシンポジウムの協力を申し入れた。

(左からKBC 和氣靖氏、南日本放送 中村耕治氏、南海放送 田中和彦氏)

災害に対する地域メディアの役割

 地震、水害など頻発する自然災害に対して、地域メディアがどう振る舞うかがとみに注目されている。KBCは、5か年中期計画を2017年から進めていたところ、熊本地震、九州豪雨と大きな災害が続いた。和氣氏は「あらためて視聴者の方の放送局に対する期待をひしひしと感じている」と言う。福岡県内の全60市町村と1年8か月かけて防災協定を結んだ。これはKBCが全市町村をめぐって特集企画を放送する「ふるさとWish」と同時並行で行われた。地域との結びつきを強めていくことが地域からの信頼の獲得に繋がる。この取り組みは、「県庁所在地中心に同心円的にものを考えることが多かったが、各市町村と向き合っているかの自己点検になる」(和氣氏)と言う。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

第2回で見えてきた総務省「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の向かう先

2021年12月号

これからのテレビ番組作りに絶対に参考になる2つのセッション(INTER BEE CONNECTED 12月17日までの公開)

2021年12月号

Inter BEEで浮上した「放送同時配信をやるなら地域制御はいらない」との意見

2021年11月号

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2021年12月号

メディアはいま、潤いを失いはじめている。もはや、枯れゆくだけなのか。それも...

2021年11月号

衆議院議員選挙の結果は、数ではさほどこれまでと変わらないものだった。伝える...

2021年10月号

緊急事態宣言は10月1日に解除された。世の中には平穏な空気が流れる。メディ...