テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2019年12月号

何で僕のニュースアプリは「田中みな実」のインスタ記事ばかりになったの?〜新志有裕氏寄稿記事〜

2019年12月23日 10:17 by sakaiosamu
2019年12月23日 10:17 by sakaiosamu


※画像:Yahoo!ニュース(スポーツ報知:11月29日より)

Introduction
弁護士ドットコムニュース編集長の新志有裕氏による隔月連載。今回の題材は、田中みな実のInstagram、ではなくそれをネタにしたスポーツ紙の記事について。タレントがインスタ投稿をした、というだけの記事を次々に配信していることについての考察だ。
 

 

 

書き手:新志有裕(弁護士ドットコムニュース・編集長)

フリーアナウンサーの田中みな実さんの初写真集が12月13日に発売されてから、早くも増刷となり、30万部に達したと報じられています。なぜこんなに人気が出たのでしょうか。美に対するこだわりの強さから、男性だけでなく、女性からも強い支持があるようです。

ただ、気になったのは、一時期やたらと、私のニュースアプリのタイムラインに、「田中みな実さんがインスタグラムを更新しました」という記事が出ていたことです(最近は減少傾向にあります。11月が顕著でした)。私はさほど田中みな実さんに興味はなかったのですが、見出しが扇情的なことも多く、ついつい見てしまいました。

そこには、ニュースプラットフォーム(PV稼げる)と、ニュース配信社(簡単に人気記事が作れる)、芸能事務所(プロモーションになる)のトライアングル関係が生まれていたように感じます。ただ、近江商人の「三方よし」(買い手よし、売り手よし、世間よし)のように、本当に「世間よし」として、読者利益にかなっているのかどうかは微妙なところです。

●ひたすらインスタを記事化、見出しで釣る

具体例を見ていきましょう。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

ローカル局は2度創業できる〜新潟放送はなぜHD体制になったのか〜

2024年04月号

【購読者様への重要なお知らせ】Publishers版のMediaBorderは4月で更新終了、5月からnoteのメンバーシップでリスタートします

2024年04月号

震災の国のメディアが共有すべき新潟民放2局の経験

2024年04月号

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)