テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2019年12月号

ここまでガチな諸課題検討会は初めてだ!〜制限するのはまちがい〜

2019年12月13日 18:39 by sakaiosamu
2019年12月13日 18:39 by sakaiosamu

12月13日、第25回にあたる「放送を巡る諸課題に関する検討会」が開催された。MediaBorderでは今月NHK同時配信の記事ばかりになっているが、読者諸氏は経緯はおわかりだと思う。NHKが10月に出した実施基準に対し11月8日に総務省が「考え方」を提示し、12月8日にNHKがそれに対する「検討結果」を提出した。わかりやすく言えば、総務省がつけた文句にNHKが対応したということ。それを受けての諸課題検討会だった。

この日は高市大臣が出席した。大臣が席について検討会の構成員の方々と総務省が相対した。この時、筆者はあれ?と思った。これは微妙な空気が漂っていないか?

前回の諸課題検討会は9月開催。その時に出したのが実施基準の原案で、それが諸課題検討会を通ったから10月に総務省に提出したのだ。そこには例の「2.5%キャップ外し」となった費用についても入っていた。MediaBorderでも書いた通り、かなり強引な理屈で2.5%を超えた費用について説明があり、おそらく検討会の構成員の皆さんは「なんか変なの」と思いながらも何しろ総務省の監督のもと出てきた案なのだからと異論もあまり出なかった。総務省が通させたのが10月の実施基準だった。

ところが当の総務省が「考え方」の形で異論を唱え、それにNHKが回答した。諸課題検討会としては「だったらおれたちなんなの?」となるだろう。諸課題検討会で通ったからNHKは実施基準を出したのだ。それに異論を唱えるなら、諸課題検討会は何のために4年間も会議やってきたんだ、となってしまう。

案の定というか、予想を超えてというか、この日の諸課題検討会は諸課題検討会史上なかったガチな展開となった。

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