テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2018年10月号

某エリア放送局・覆面座談会(前編)〜ローカルは人手も時間もお金もない持久戦だ!〜

2018年10月09日 10:06 by sakaiosamu

夏のある日、私はとある地方都市に呼ばれテレビ局員の小さな集まりで講演した。せっかくの機会なのでローカル局の状況などを語ってもらう座談会をお願いしたところ、顔と名前がわかると本音が言いにくいとのこと。そこで覆面座談会をやってもらうことにした。あるエリアの局の中堅社員たちの、顔がわからないからこその本気の議論を、ぜひ読んでいただきたい。長くなったので2回に分けてお届けする。くれぐれも、背格好や話の内容からどの局の誰かを特定しようなどと考えぬように!

 

司会:今日は覆面座談会にお集まりいただきありがとうございます。絵柄がヤバくていいですね。それぞれ放送局の名前は伏せてどういう仕事をしているか、お1人ずつ言ってください。

A氏:私は今編成で、進行業務を担当して放送のデータを作ったりしています。

B氏:私も編成なんですが、業務はラジオの編成業務全般をやっています。

C氏:編成業務局に所属しています。タイムデスクや販売枠の作成などです。

D氏:私も編成ですが、番組の編成及び視聴率調査の担当、番組の広報SNSも受け持っています。

司会:今日はローカル局の悩みとこれからについて、言いにくいこともズケズケ言っていただく座談会です。まず最初に私の講演の感想などをお聞かせください。※講演の内容はMediaBorderでも記事にしたKBC(九州朝日放送)、MBC(南日本放送)などの地域密着の話を核に、あらためてテレビ局に公共性が求められていることを訴えたもの

A氏:データ放送をやっていたので、自作のデータ放送を作っていた時、こういうこと(MBCがデータ放送で自治体情報を届けていること)をやりたいなという個人的な思いはありました。でも会社の体制がそちらに向いてくれなくて、今はデータ放送の自作をやめてしまいました。

司会:人手が足りないからですか?

A氏:そうですね。お金もないのもあります。データ放送でどれだけ稼げるのかという議論になっちゃって。そうじゃないだろうという思いはあるんですけど。

司会:公共性というよりお金にならないと認めてくれない、ということですね。

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