テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2018年05月号

放送で終わらない放送。ネットと循環する放送。〜CBCの番組テキスト化の試み〜

2018年05月10日 12:46 by sakaiosamu
2018年05月10日 12:46 by sakaiosamu


※画像はCBCラジオWEBサイトより

CBC(中部日本放送)はJNN系列のCBCテレビ、JRN系列のCBCラジオを傘下に持つ認定放送持株会社。いわゆる中京広域圏(愛知県・岐阜県・三重県)を放送エリアとする。

そのCBCがRadiChubu(ラジチューブ)というWEBメディアを展開しているのをご存知だろうか。百聞は一見にしかずで、とりあえずそのサイトを見てもらうのが話が早いだろう。

RadiChubuへ

ここに並んでいるのは記事への入口。それぞれを押すと各記事には入れるのだが、このRadiChubuの記事はひとつひとつがラジオ番組を題材にしている。CBCラジオで毎日放送される番組の一部が定期的に記事となり配信されているのだ。だからラジオの放送が続く限り、毎日数本ずつ記事が増えていくわけだ。

ラジオで放送されたことをネタに、ネットメディアができて記事が増えていく。それがRadiChubuの構造だ。ある意味、今回お伝えしたいことはそこに尽きる。その発想の新鮮さと可能性をこそみなさんに感じてもらいたい。

RadiChubuの産みの親であり運営者でもあるCBCラジオの編成業務局編成業務部副部長・安藤美国氏に、RadiChubuについてお話をうかがった。

安藤氏は前々から、ラジオ番組をテキストメディア化する構想を持っていた。機会をうかがっていたところにちょうど、radikoが2016年10月にタイムフリー機能を追加した。ラジオ番組が放送後にradikoで再生して聴くことが可能になったのだ。この仕組みを利用してテキストメディアをつくれば、ネット上での番組再生からリアルタイムで聴いてもらうことへの導線ができるのではないか。安藤氏はそう考えた。

12月にCBCラジオの升家誠司社長に提案したところ、さっそくやれ!と後押ししてくれたという。トップがプッシュしてくれたのはいいが、4月にスタートせよ!とせっかちな指令が出たので、3カ月間大忙しとなった。CBCは持株会社体制をとっておりラジオは独立した会社になっている。それがこの機動力につながっていると言えるだろう。

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