今週7月20日、総務省の「放送を巡る諸課題に関する検討会」の第17回が開催された。NHKが同時配信について方針を示すための回だった。これについては各新聞社による記事が出ている。いちいちリンクで示さなくても「NHK 同時配信」と検索すればわんさか出て来るので読んでもらえればと思う。
7月4日開催の第16回でNHKが「同時配信は本来業務」と発言したというので物議を醸した。これについては7月にMediaBorderでも記事にしている。
NHKの発言は、ツッコミどころ満載の自爆テロになってしまった、という内容だ。ただ、私はNHKが先行だって何だって同時配信を進めればいいのに、と考えている。なぜなら、ひとりの生活者として便利だからだ。NHKに限らず、スマホでテレビ放送がそのまま見れたら便利なんだから早くやってよ。民放が事業性がないのならNHKだけやってよ、とシンプルに考えている。
だが今週の新聞記事を読むと民放界がこぞって意見を言っている形だ。本来業務としていたのを補完業務としたのはまあいいが、いろいろまだまだ言いたいことあるぜ、といったムード。
同時配信については、NHKが四面楚歌になっている。そう新聞社が報じている。だが本当に反対しているのは誰だろう?MediaBorderとしてはそこにこそ注目したい。
今日7月22日には、民放連の井上会長のコメントも出た。民放連のサイトに出ているので読んでみるといいだろう。
「技術の進歩への対応を優先し、スケジュールありきで進めるのではなく、立ち止まって、インターネットをどう使うのか、それによって放送がどうなるのかを考える必要がある。私たちにとってメイン業務は放送である。NHKも立ち位置をはっきりしてほしい。」
あ、そうなんだ。これを読んで私は少しだが驚いた。「私たちにとってメイン業務は放送である」そうなんですね。民放にとっても、放送が本来業務でネットは補完業務だろう。そうおっしゃっているのだろう。なんだ、そうなのか。
つまり、NHKを封じ込めたいあまりに民放も自らネットを補完業務としてしまった、のだと言える。
そもそも民業圧迫ってなんだろう?
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