テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2017年03月号

次のテレビへの議論を導く人が、どこにもいない、という状況〜実証実験の結果と文研シンポジウムより(2)〜

2017年03月10日 13:53 by sakaiosamu
2017年03月10日 13:53 by sakaiosamu

MediaBorderの読者ならご存知だと思うが、NHKの放送文化研究所によるフォーラムイベントが毎年3月初めに開催される。私も毎年参加して新たな知見を得てきた。ここ数年は文研の女傑(?)村上圭子氏による総務省の担当者のお話を聞くセッションを楽しみにしている。村上氏の切っ先鋭い質問はいつも見事だが、それに対したじろぎもせずきちんと回答する総務省の方にも毎年感心してしまう。違いをリスペクトする信頼関係があってのことだろう。

今年は3月3日の最後のセッション「これからのテレビはどこへ向かうのか〜存在意義の再定義に向けて〜」と題して、まず研究員・保高隆之氏が、調査結果を発表。新しい映像サービスなどテレビの変化の様相を、一般の人々がどう受容しているかがわかる貴重な調査内容だった。程なく公開されると思うので、注目しておくといいと思う。

それを受けて、村上氏がテレビを取り巻く動向と、課題などを整理した内容を発表。地上波テレビに限らずこれまでの放送サービスの課題をレーダーチャートで見せる部分は、他にない手法で新鮮だった。また多様に出てきたニュースメディアを整理したマトリックスも非常に参考になった。(村上氏には3月30日に、MediaBorder読者が参加できる勉強会・ソーシャルテレビ推進会議で講演してもらう予定だ)

→参考:NHK文研フォーラム・プログラムHの内容

そしていよいよ、総務省大臣官房審議官・吉田眞人氏をゲストに招き、村上氏が聞き手となってのディスカッションコーナーとなった。

いくつかのテーマでディスカッションが繰り広げられたのだが、前回の記事の続きとして、ここでは「同時配信」についての議論に注目したい。私が取った傍聴記録から、該当部分を抜き出してここで紹介していこう。(ここから先は登録読者のみ)

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