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2017年03月号

8っKよい!?~大相撲8Kライブビューイング観戦記~ 関根禎嘉連載・メディアイベント右往左往《第3回》

2017年03月31日 11:49 by sknsdys

 

 
今月の「メディアイベント右往左往」はちょっと毛色を変えて、「8K大相撲」について。今月12日から26日に行われた大相撲春場所は新横綱・稀勢の里が左腕の負傷を押して強行出場し、"奇跡”の逆転優勝を果たしたことは相撲ファンならずともご存じと思います。

さて春場所はエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)を会場としているわけですが、その優勝決定の瞬間、筆者は東京紀尾井町の千代田放送会館にいました。ここの2階のホールで、8Kスーパーハイビジョンによるライブビューイングを観ていたのです。

NHKによる8K試験放送は昨年8月にスタート。全国のNHK放送局などに限って視聴できますが、これとは別にイベント上映としてオリンピックなどのスポーツ大会や紅白歌合戦などのパブリックビューイングを2014年から開催しています。NHK公式サイトによると、大相撲本場所の8Kパブリックビューイングは2014年9月の秋場所からとのこと。
 
筆者はInterBEEなどのイベントで8Kによる大相撲の映像を見たことはありましたが、22.2マルチチャンネル設備を備えた環境での視聴は、今年初場所(1月)千秋楽が始めてのことでした。大関稀勢の里は前日の14日目に悲願の初優勝を果たし、千秋楽の横綱白鵬との取組の結果いかんによっては場所後の横綱昇進が話題になるのではと注目されていました。
 
その初場所千秋楽の1月22日。いち相撲ファンである筆者の気持ちも盛り上がり、この一番をよりよい環境で見たくなり、8Kライブビューイングに初めて足を運びました。開始の午後4時に合わせて、千代田放送会館へ。千秋楽なので土俵入りが終わり幕内の取組がすでに始まっている時間です。NHK文研フォーラムのメイン会場でもあるホールには300インチを超えているであろうという超大型スクリーンに22.2chの音響設備が設置。「中央の方がより8Kを堪能できますよ」という係員さんの案内に従い、中央2列目に腰掛けました。
 
さて中継が始まりました。まず驚かされたのは、意外にも映像より音声。国技館で相撲をご覧になったことのある方にはよりお分かりいただけるかと思いますが、あの特有のざわつきが耳を疑うほど再現されていたのです。カメラは中継同様正面に据え付けられているので、目も耳もマス席に陣取っているかのよう。呼び出しの拍子木の甲高い音や行司の声が臨場感を高めると同時に、スポーツ観戦にとっての音の重要さを再認識しました。
 
しかし、力士が土俵に上がるともっと驚かされることになります。見合ってはっけよい、立ち会って力士同士がゴチンとぶつかります。150キロ級の力士同士が頭でぶつかり合うとそのいかにも痛そうな音はラジオ中継でも聞こえるほどですが、なんと力士が足で砂を噛む音まで聞こえてきたのです。耳を澄ましていたわけではなく、大画面に視線を送っていたら力士のじりじりと踏ん張りながら土俵際に押されていく、非常に繊細な音が聞こえてきました。これは衝撃的でした。少なくともこれまでのテレビの相撲中継ではほとんど聞いたことのない音です。土俵そばの座席はその近さから「砂かぶり」と呼ばれますが、22.2chは耳を砂かぶりにまで連れていってれます。(ここから先は登録読者のみ)
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