テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2017年01月号

メディアはイマだ〜テレビ局が同時配信に感情的に反対しないほうがいい理由〜

2017年01月27日 14:57 by sakaiosamu
2017年01月27日 14:57 by sakaiosamu

年頭の記事で、同時配信について少し書いた。テレビの今後をめぐる議論のカギになりそうだと。これについて今回はさらに論を進めてみたい。

私は正直言って、同時配信にはさほど興味がなかった。「放送」という形式は、もう時代に合わなくなっている。好きな時に見たいものが見られることをユーザーは望んでいるのに、時間に縛られる「放送」はそのニーズにそぐわないのではないか。だからスマホに場所を変えても「放送」では意味がない。ネットに放送と同期する形で番組を送り届ける「同時配信」に取り組む意味は薄いだろうと考えていた。

そんな考えを大きく方向転換させられたのが、昨年11月のNHKの実証実験だった。写真のようなインターフェイス。ポイントは、同時配信と見逃し配信の両方がシームレスに視聴できる点だ。つまりいま現在放送中の番組をリアルタイムで視聴できるし、時間をさかのぼって数時間前の番組も、片手でスクロールすることで簡単に視聴できる。これは大袈裟にいうと、「新しいテレビ」なのだ。

何が私の考えを方向転換させたか。どう画期的だったか。メディアとは「イマ」だからだ。そして同時配信と見逃し配信がセットになることで、「イマにアクセスできるスマホ上のサービス」になるからだ。

そこに気づくと、民放は同時配信に反対する必要がない、という結論が出てくる。それどころか、NHKのこの路線に一緒に乗っかったほうが絶対にいいこともわかる。もう少し説明してみよう。(ここから先は登録読者のみ)

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