テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2016年09月号

『君の名は。』と『水曜どうでしょう』は意外に似ている〜ファンとの交流が産んだヒット〜

2016年09月28日 11:06 by sakaiosamu
2016年09月28日 11:06 by sakaiosamu

渋谷の映画館では今日も若者たちがチケットを買い求めているだろう

『シン・ゴジラ』に続いて『君の名は。』についても、私は注目し情報収集をしている。それは、映画もテレビも同じ映像コンテンツであり参考になる部分が多々あるからだ。そして『君の名は。』がテレビのメディアパワーをあてにしないで100億円の興行収入を稼いだエポックメイキングなコンテンツだからでもある。メディアのパラダイムシフトの象徴が『君の名は。』なのだ。

先日、私は『君の名は。』の新海誠とずっとつきあってきたコミックス・ウェーブ・フィルムの川口典孝氏にインタビューし、記事にまとめてYahoo!に掲載した。未読の方はぜひ読んでもらえればと思う。

『#君の名は。』新海誠を信じぬいた男~コミックス・ウェーブ・フィルム代表 川口典孝氏インタビュー~Yahoo!ニュース2016/9/26

インタビューの目的のひとつは、今回の大ブレイクの要因を解き明かすことだったのだが、非常に明確な答えが見えた。記事にある通り、川口氏と新海監督は地道にファンとの交流を続けてきた。見に来てくれた若者たちと新海監督が、強い絆で結ばれてきた。そんな活動をこの十年ほど続けてきて、いつの間にか日本中にファンが増殖していたのだ。その素地が、今回の東宝による大規模な公開で爆発した。

そこにテレビの全国ネットのメディアパワーはほとんど関与していない。

そして新海誠監督とコミックス・ウェーブ・フィルムのこうした活動と、北海道テレビのヒットシリーズ『水曜どうでしょう』には非常に近いものがある。加えていえば『踊る大捜査線』のヒットにも似た要素がある。そこにある共通点を、解説してみよう。(ここから先は登録読者のみ)

 

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