テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2017年11月号

InterBEE Connectedセッション・ピックアップ(1)「スクリーン選択の時代」より

2017年11月20日 16:02 by sakaiosamu
2017年11月20日 16:02 by sakaiosamu

この11月15日から17日の三日間、幕張でInterBEE が開催された。50年の歴史を持つ放送機器展だが、2014年からその中にInterBEE Connectedというコーナーが新設されている。その名の通り、ネットやビジネスへの「Connect」をテーマにしており、十数社のブース展示とともに、一日4つ、計12のセッションも行われた。そのプログラムは下記サイトを見てもらうとわかる。
→InterBEE Connected概要

筆者は、このセッションの企画を担うチームの一員としてその開催に携わった。手前味噌ながら、なかなかタイムリーでクオリティの高い企画が組めたと思う。そこでそれらの中からMediaBorder読者にはとくにオススメしたいものを、ピックアップして紹介したい。

今回レポートしたいのは、いちばん最初のセッションだ。「本格化する“スクリーン選択“の時代の見取り図を描く〜電通・ビデオリサーチによる挑戦」という長いタイトルがつけられている。電通のメディアに関する論客・奥律哉氏をモデレーターに、3人のパネリストが登壇したセッションだ。中でもビデオリサーチ渡辺庸人氏は、これまでこうした場ではあまり見かけなかったフレッシュな方で、若き俊英といったたたずまいだ。

プレゼンテーションの中でも渡辺氏のパートがメインディッシュとなっており、これまで見たことのなかった手法による分析を披露していたので、ここでもその概要を紹介してみよう。

様々な事象の分析に「ソーシャル・シークエンス・アナリシス」という手法があり、それをメディア分析に応用してみたという。これはDNAのように序列や配列を分析する際に編み出されたもので、人びとのメディアと生活も習慣性があるので応用できたのだそうだ。

人びとの生活行動を「生活」と「メディア」で分けて把握し、カテゴリーで統合した結果から傾向を見出すというものだ。「テレビを見ながら食事をする」時間は「食事」と「テレビ」にカテゴリー分けできる。これを15分刻みで見ていった。ビデオリサーチはもともと「MCR」という日記式の生活行動調査を行っており、そのデータを分析に使った。

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