この4月からテレビ朝日で平日昼間にスタートした「やすらぎの郷」についてYahoo!に記事を書いた。

「脚本家・倉本聰が「やすらぎの郷」で起こした、シルバータイムドラマという革命」Yahoo!個人/17年4月11日

Yahoo!の記事は、倉本聰氏が80を超えてもなお何かに挑んでいることへの畏敬の念が書かせたと言っていい。そしてそこには、我々が学び考えるべき題材が数多く含まれていると私は感じた。そこでこの記事では、一般向けメディアであるYahoo!には書けなかった、もう少し深いところを論考してみたいと思う。

倉本聰氏のメッセージは「シルバータイムドラマ」という言葉に集約されていると思う。Yahoo!でも示した図をここで見てもらいたい。

ここで明らかなように「シルバー」には2つの意味が込められている。ターゲットである高齢者=シルバー世代向けのドラマですよ、ということが一つ。そしてもう一つは、ゴールデンタイムへのアンチテーゼとしての”シルバー”だ。

これについてはYahoo!の記事でも紹介した「テレビ局だけがゴールデン神話から抜け出せない」というセリフと併せて捉えるとよくわかる。テレビ局がゴールデン神話から抜け出さないなら、おれはシルバータイムドラマを作ってやるよ、という強烈な主張が感じとれる。

もう一つ、Yahoo!では紹介しなかったセリフがある。近藤正臣演じる元テレビディレクターが、主人公の老脚本家に言うセリフ。彼は年老いた今も声がかかれば演出の仕事をしている。最近作った番組も視聴率がよかったそうじゃないか、と言う主人公にこう切り返すのだ。

「そこそこっつったって、12%だ。ゴールデンタイムの12%なんて昔でいやあ打切りだよ」

このセリフは裏を返すと、12%で喜んでゴールデンと言えるのか?とも読み解ける。ゴールデンタイム神話から抜け出さない、という先のセリフと併せて考えると「もうべつにゴールデンタイムを最優先に考える必要もないだろう」と言っているかのようだ。

こうして倉本氏のメッセージのことばかり書いてきたが、「やすらぎの郷」のメディア論的な興味はそこだけではない。倉本氏の意気込みをしっかり受け止めて「シルバータイムドラマ」を本気で形にしたテレビ朝日も、すごいと思うのだ。(ここから先は登録読者のみ)

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