年頭にあたり、「今年はこうなる」というテーマの記事をお届けしようと思う。
ただ、今年はもう、「まったく新しいキーワード」は登場しないと考えている。思い返せばテレビとネットの融合領域では、毎年「元年」だった。「動画配信元年」「動画広告元年」「SVOD元年」「ライブ配信元年」そして「同時配信元年」。いい加減、「元年」は打ち止めだろう。今年はそれより、すべての領域で二年目三年目が一度に進むのではないか。だとしたらそれはまた、怒涛の勢いになりそうだ。今年はこれまで以上に、休む間もない慌ただしい一年になるのだと思う。
ここで、去年の巻頭記事で「2016年の予測」として提示した7つの項目を並べてみよう。
- テレビ番組のネット配信さらに進む
- 動画広告がやっと本格的に盛り上がる
- 視聴計測がホットな議論になる
- ライブ配信が急速に盛んになる
- ソーシャルテレビが再び活性化する
- SVODは静かに広がっていく
- 同時再送信も着々と進む
ほぼ当たったと言えるだろう。まあ、明らかに気配があったものを挙げているので、当たらない方がどうかしてるのだが。唯一、外したのが7で、着々どころか風雲急を告げるほど同時配信が(放送業界では同時再送信の方が使われていた)急浮上した。政官の要請で、最優先課題になってしまったかのようだ。
さて今年はというと、ここにあることすべて、だと言える。どのテーマもすでに「元年」が過ぎ、二年目だか三年目だかに突入する。どのテーマが先に進むという優先順位も何もない。となると今年は、あらゆる領域で怒涛の勢いで物事が進んでいくことになる。嵐のような毎日を、防ぐものもないまま一身に風を浴びて過ごさねばならない。なんとも大変な一年になりそうだ。
ただ一つ、古いテーマが新しく登場する可能性がある。それは、「放送」だ。(ここから先は登録読者のみ)
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