テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2019年09月号

「書道甲子園」の華やかさと、町おこしとの間の距離

2019年09月05日 11:37 by sakaiosamu
2019年09月05日 11:37 by sakaiosamu

筆者は先日、Yahoo!ニュースでこのような記事を配信した。

書道が「競技」に 全国に広がった地方局社員の「発見」

愛媛県の四国中央市という町で2008年から開催されてきた「書道パフォーマンス甲子園」。今年8月4日の第12回大会を取材して書いた記事だ。主題は、地域のイベントとメディアの関係。愛媛県の地上波テレビ局・南海放送の一人のディレクターが、三島高校書道部のパフォーマンスに注目しドキュメンタリー番組を制作した。そのディレクターはそこで終わらず、自治体に「書道パフォーマンス甲子園」の企画を提案し、それが実現して10年以上開催されてきたのだ。

愛媛新聞や四国中央市のケーブルテレビも含めて、地域のメディアがひとつのイベントを生み育て、盛り上げていった素晴らしい事例として記事を書いている。まだ読んでいない方はこの機にぜひ読んでもらえればと思う。メディアが地域にできることのエッセンスを読み取ってもらえるだろう。何より、書道パフォーマンスを「発見」した、ひとりのディレクターの思いが素敵だと感じた。

このYahoo!の記事は、ネットの記事にしてもかなりの長さで5,000字を超えている。実は最初の原稿はもっと長かった。前後編に分けると読んでもらえないので、Yahoo!ニュース編集者とも相談してカットした部分があったのだ。

今回の取材では、メディアの関わりとともにそれが町おこしにどう繋がっているかもテーマとして念頭に置いていた。そのために、大会を取材した後、四国中央市の担当者と、地元の商店街にも取材している。カットしたのはその部分。そこで見えたのは、大会の盛り上がりと地元とのギャップだった。少々ショックも受けたのだが、泣く泣く削ったその部分をMediaBorder読者の皆さんにはぜひ読んでほしいので、ここで掲載することにした。見えてきたのは、ひたひたと忍び寄る人口減少社会の影と、それに対する処方箋の難しさだった。

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