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2019年09月号

交渉力なし?駆け引きできない?ツッコミどころ満載のNHK上層部〜第24回諸課題検討会を傍聴して〜

2019年09月12日 10:36 by sakaiosamu

開催前からわかりにくい情報が出ていた諸課題検討会

9月11日、第24回になる総務省「放送を巡る諸課題に関する検討会」が開催された。今回は参議院選挙での「N国旋風」が吹き荒れたあと、何かとディスられ気味のNHKが「常時同時配信」について報告する点が注目された。かく言う筆者も現代ビジネスで2回に渡ってNHKを"ディスる"記事を書いている。

「NHKから国民を守る党」が、本気でNHKを激変させてしまう可能性(8月1日:現代ビジネス)

NHKが〈TVer〉進出で陥る、受信料の「どうしようもない矛盾」(8月28日:現代ビジネス)

くれぐれも言っておくと、筆者はNHKの同時配信を待望してきた。同時配信についてNHKを援護したい気持ちでいっぱいだ。それでもツッコミどころ満載のこのところのNHKの振る舞いに呆れ果てて上のような記事を書いてしまった。そんなこともあり私もこの「諸課題検討会」は注目していた。

すでに前日9月10日にはこんな記事が配信されていた。

NHK、ネット業務費拡大へ 国際放送、ローカル番組配信など別枠に(9月10日:毎日新聞)

NHKはもともとインターネット事業は「補完業務」であり、受信料収入の2.5%を超える費用は使わないとしていた。同時配信をスタートするに際してもこの「2.5%キャップ」は守るように民放側から釘を刺されていた。記事を読むと、インターネット事業の中でも「公益性の観点から積極的な実施が求められる」4業務については「2.5%キャップ」から除外する方針を打ち出したらしい。わかったようなわからないような話だ。

そして11日の諸課題検討会で、具体的な説明を聞くことができた。直接聞いても、わかったようなわからないような話なのは変わらなかった。

そもそもこの「2.5%キャップ」は同時配信を実行するにあたって守れるの?との疑問は"諸課題検討会ウォッチャー"の間でも沸き起こっていた。同時配信をやる前からこのキャップはあった。その範囲でインターネット配信をいろいろとやっていたわけだ。そこに同時配信が加わるのだからキャップを外したいとどうして言わないのか?ずっと前からみんなが気にしていたことだ。

それについて今回ようやく言及したわけだが「キャップを外したい」ではなく、「よく考えたらこの4つはキャップの外でした」という説明を今になってし始めた。NHKの同時配信を応援したい筆者から見ても、理解しづらい説明だ。そもそも、NHK上層部には交渉力とか駆け引きするとかができないのではないか。ツッコミどころがあったら指摘してやると虎視眈々と待ち構えている民放側に、ダメ出しの材料を与えるようなものだ。また不要ないざこざがNHK同時配信の進行に起こるのだろうと呆れてしまう。

もう少し詳述しよう。

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