テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2018年08月号

サンジャポは週に何本のネットニュースになっている?〜新志有裕による情報番組の拡散についての考察〜

2018年08月20日 11:33 by sakaiosamu

Introduction
テレビとネットの関係で面白いのが、無限大に表現が広がるはずのネットで、結局テレビ発の話題が大きな要素になっていることだ。ネットメディアがテレビ番組内の出来事を積極的に記事として発信しているからで、そこには良い面も悪い面もありそうだ。弁護士ドットコムニュースの編集長、新志有裕氏はミライテレビ推進会議に創設時から参加している古参メンバー。元々は西日本新聞の記者からネットメディアの世界に入った経歴を持ち、日本ジャーナリスト教育センターの運営委員のひとりでもある。ジャーナリズムの将来の姿を真剣に見出そうとしている。そんな新志氏に原稿依頼したところ、このテレビとネットの関係を主題に寄稿してくれた。手のかかる調査も自分でやっての記事で、労作だ。ぜひじっくりお読みいただきたい。

 

 

 

書き手:新志有裕(弁護士ドットコムニュース・編集長)

私は仕事でネットニュースの編集をしているのですが、最近やたらと、テレビの情報番組をまとめたネットニュースを見かけるようになりました。芸能人やコメンテーターの発言がすぐに記事になり、ポータルサイトやニュースアプリ、SNSなどで広がっています。今回、情報番組の中でも、毎週数多くのネットニュースになっている「サンデー・ジャポン」(TBS系、毎週日曜午前9時54分〜)を例に、情報番組(+エンタメ番組)のネットニュース化の現状や、ネットニュースの流れ全体にどのような影響を及ぼしているのかを考えてみます。

放送時間中、数分以内に記事化するメディアも

サンジャポは1回の放送で、何本のネットニュースになっているのでしょうか。8月12日放送分について、調べてみました。Googleのニュース検索、Yahoo!ニュースの検索機能を活用して、漏れのないよう地道に拾い上げました。なお、本記事で出てくる「ネットニュース」についてですが、Googleのニュース検索やYahoo!ニュースの検索で出てくる記事のことだと定義しておきます(ネットニュースとは何か、という問題を考え始めると奥が深いので、今回は便宜上このような分類とさせてください)。 

8月12日放送分の大きなテーマは、日本ボクシング連盟の山根明会長(当時)の辞任騒動や、この番組の司会である爆笑問題・太田光さんの日本大学・裏口入学疑惑騒動、東京医科大学の女性差別問題などで、最後に宇垣美里アナのコミックマーケットでのコスプレ姿が披露されるという展開でした。 

記事のタイムスタンプを見る限り、最も早く公開されたのが、スポニチ Sponichi Annex(以下スポニチ)の「太田光、生放送で裏口入学報道に再び猛反論『やってない』『俺の前に来て言え』」で、午前10時30分でした。録画データをチェックしたところ、太田さんが反論した場面が放送されたのが、番組開始から35分後くらいですので、午前10時30分前ということになります。スポニチの記事は、番組を見て、数分以内に「爆速」で書かれた記事ということになります。

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