テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2016年10月号

著作権から考え直さないと、テレビのネット同時配信は拡がらない

2016年10月26日 10:35 by sakaiosamu

先週、10月19日の朝日新聞の朝刊にはひっくり返るほど驚いた。

この見出しだけを読むと、「テレビ番組のネット同時配信が、法律の改正によって2019年に全面解禁される」と受け取れる。・・・そんな馬鹿な?!

「そんな馬鹿な」には2つの意味が込められている。ひとつは、テレビ番組のネット同時配信はいまも可能なのに「全面解禁」とはどういうことだ?そして2019年の根拠は何なのか?NHKの同時配信は放送法で制限されているので、そこが「19年に解禁」されるということだろうか。だが、だったら「全面」としたのはなぜか?2019年に放送法が改正されることが決まったとでもいうのか?

見出しに続くリード文をよくよく読むと、「NHKのネット同時配信を制限している放送法を改正し、民放にも参入を促す」とあり、NHKと民放をきちんと分けて把握しているようだ。だったら「全面」と書いたのはなぜだろう。わかればわかるほどわからなくなった。

この時点で言えること、わかることを、友人知人からの情報収集も含めて調べ、Yahoo!に記事を書いた。

「テレビのネット同時配信は、すでに解禁されている~朝日報道の不可解~」

これは実は、Yahoo!ニュースの編集部から、朝日の記事が出たが解説記事を書いてもらえないか、との依頼があったせいもある。彼らも、どう受けとめたものか、悩んだのだろう。

一方、讀売新聞はこんな社説を今朝載せていた。

「ネット同時配信 公共放送の役割を吟味したい」

メディア企業グループとして、新聞社がテレビ局を心配してあげているように見える。朝日と讀売では、新聞社とテレビ局の関係がまるでちがうことがよくわかる内容だと思った。しかしこのタイミングでこの社説も不思議だ。 

疑問だらけだが、私として言いたいのはYahoo!でも少し書いた通り、著作権を改正しない限り、テレビのネット同時配信は拡がらないだろうことだ。NHKの同時配信を着地させるためにも、放送法の改正だけでなく、著作権から考え直す必要があると思う。(ここから先は登録読者のみ)

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