テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2023年05月号

TVer→サブスク→グッズ→イベントというコンテンツ戦略〜さんいん中央テレビ『かまいたちの掟』制作者・川中優氏インタビュー(後編)

2023年05月25日 09:21 by sakaiosamu
2023年05月25日 09:21 by sakaiosamu

さんいん中央テレビ『かまいたちの掟』の制作者・川中優氏へのインタビュー。前編では当初から配信を意識した考え方を聞いた。後編ではコンテンツビジネスとしての戦略を語ってくれている。(前編はこちら↓)

 

『ゴリパラ』に刺激を受けやってみたかったイベント

以下、「」内は川中氏の発言
---2020年に番組が始まって、翌年のTVer Awardを獲得してますね。

「2022年の3月に、前年のローカル番組の中で1番再生回数が多かったと表彰してもらえました。始めた時の目標は達成したけど、本当にかまいたちさんの人気のおかげだなと思っています。」

---当初考えてらしたグッズ展開も着々と広げていらっしゃるんですか。

「初年度からTシャツなどのグッズも作って毎年出させてもらっていて、Tシャツは初年度すごく買っていただき予想を超えました。イベントもやりたい思いもあって、ついに4月16日にやったばかりです。全国から来ていただけました。ヒントは福岡の番組『ゴリパラ見聞録』でした。同系列なので、うちでも深夜流してます。ある時、うちの社のイベントにゴリパラの3人が来てくれてすごい数の人が集まりました。僕らもこういうコンテンツを作りたいと、いい刺激をもらいました。それが今回僕らの番組もイベントをやって、皆さん楽しんでいただけたのでよかったなと思います。人口6000人ぐらいの町でやったんですけど、ホールイベントは 1200人ぐらいの定員に対し4倍ぐらいの応募がありました。フリーイベントにもちゃんと数えてないんですけど、2000人は来ていただいたかな。」

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---『水曜どうでしょう』でああいうの作りたいなと思い、『ゴリパラ』が身近な例になって、そのモデルを山陰で今切り開こうとしている感じですね

「多分『水どう』の当時は番組販売をいろんな局にしてもらって広がる時代だったと思います。今はネットがあることで初回から全国に扉は開かれてる。ある意味いい時代で、だけどある意味怖い時代みたいなところは感じます。」

---面白いと思ったのは、川中さんの世代にとっては、自分がメインで番組作るようになった時にもうTVerがあった。そこで何やるかを真っ先に考えるようになった最初の世代かもしれない。

「そうかもしれません。ちょうど2018年ぐらいから配信を始めたので、最初は何回も挑戦して全然回んないなみたいな。」

TVerで認知が高まったから他の展開に広げられる

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