テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2021年11月号

2年ぶりのリアル開催!開催直前、よくわかるInter BEE 2021(CONNECTEDを中心に)

2021年11月15日 15:50 by sakaiosamu

要注意!展示会は幕張で、カンファレンスはオンラインで

今年もInter BEEの時期がやってきた。11月17日(水)18日(木)19日(金)と2年ぶりに幕張でリアル開催となった。ただし、ほとんどのカンファレンスはオンラインなのでご注意を。一昨年の感覚で、幕張で展示を見る合間にお目当てのセッションに参加しようとしても現地ではやっていない。いつもとは勝手がちがうかもしれない。

だが慌てる必要はない。オンラインのセッションはほとんどがアーカイブであとから聴講可能なので、まずは落ち着いて2年ぶりのリアル展示をじっくり楽しんでからでも遅くはない。

筆者は毎年Inter BEEの企画をお手伝いし、プロモーションも関わっている。今年はその一環で、久しぶりの出展について数社に取材してINTER BEE MAGAZINEで記事にした。正直にいうと技術にはてんで疎く、これまで機材の出展は見てもわからなかったのだが、取材すると出展側の展示会への意気込みがよくわかった。映像や音響の専門的な機材を実際に見て触れる機会は他にそうはない。みなさん2年ぶりのリアル展示開催を大変喜んでいた。

印象的だった企業をいくつか紹介したい。

この記事で取材したバルコ社はベルギーを本拠とする映像機器メーカーで、映画館のプロジェクターでは世界シェア50%以上。日本でも、IMAXシアターのプロジェクターはほぼこの会社製だという。

「バーチャルスタジオ」の展示は必見だ。人物と、CG背景をその場で合成してブースで見せてくれる。この手法は、映画やテレビCM、ドラマなどですでに活用が始まっている。また生放送やセミナーなどでも利用できるので、今後様々に応用されるだろう。

もうひとつ、オーディオストック社も紹介したい。映像のネット配信では音楽が大きなボトルネックになる。YouTubeなどで自分で配信する際に、軽々しく既存の曲は使えない。テレビ番組をネットで配信する際も、音楽だけ抜いたり差し替える必要が出てくる。

オーディオストックにはそうした著作権の問題をクリア済みの音源が大量にあり、月々定額で自由に利用できる。元々音楽コンテストでスタートしたベンチャーで、新しい楽曲や効果音を大量にストックしてある。かなりレベルの高いアーティストも曲を提供しているので、安っぽいフリー音源とは全くちがう楽曲を使うことができる。時代をつかんだサービスと言えるだろう。

CONNECTEDの注目セッション、同時配信と最新視聴動向

筆者が企画を手伝っているのは、INTER BEE CONNECTEDという特別企画。放送と通信のCONNECT、そしてビジネスとのCONNECTがテーマで新しい話題を扱ったセッションを連日行う。

今年はこのCONNECTEDの基調講演として行われる同時配信をテーマにした企画が目玉だ。17日(水)12:30からライブ配信される。

同時配信セッション

「放送同時配信はテレビを救うか」と題して、昨年NHKプラスを開始したNHKの西村規子氏、今年10月から日テレライブをスタートしたばかりの日本テレビの佐藤貴博氏、そして民放キー局の同時配信の受け皿となるTVerの蜷川新治郎氏が登壇。CONNECTED主査であるワイズ・メディア塚本幹夫氏がモデレーターのセッションだ。

NHKと民放が同時配信について同じ場で語るのは初めてだろう。同時配信について取材すると、民放側がNHKに対しいくつか誤解している点があることに気づく。このセッションはそうした誤解を解く場になるとともに、NHKと民放が共に同時配信を考える格好の場になりそうだ。

今のように同時配信のアプリがNHKと民放で別々なのは、なにより見る側の人々にとって不便だ。テレビ放送は、同じ受像機で民放もNHKも視聴できるのが発展の大きな要因だった。ネットでもワンプラットフォームで進めるべきだ。そのきっかけとして、このセッションには大いに期待している。

奥さんセッション

もうひとつ、おさえておきたいのが18日(木)10:30からの「アフターコロナ:誰がテレビスクリーンを制するのか」、電通メディアイノベーションラボの奥律哉氏がモデレーターだ。CONNECTEDでは毎年、奥氏が中心になるセッションが行われ、名物企画になっている。

今年は少し趣向が違い、奥氏のチームの森下真里子氏の他に、NHK放送文化研究所の渡辺洋子氏、AbemaTVの山田陸氏が加わる。電通メディアイノベーションラボのいつものデータに、多面的なデータが加わることで、より立体的にメディアと人々の関係が浮き上がりそうだ。2020年の巣ごもり生活で、テレビ受像機の使われ方が大きく変化した。その後の変化の最前線を知ることができるだろう。参加者の質問も積極的に拾ってくれるそうなので、感じた疑問をリアルタイムでぶつけてみるといいだろう。

テレビはどう変わるか、筆者企画の2つのセッション

テレビと人々の変化が見えてきたら、テレビはどう変わるべきかも考えたくなる。筆者が企画した2つのセッションは、テレビの今後の大きなヒントにしてもらえるはずだ。

18日(木)15:30からの「テレビは変わった!テレビはどうする?」では、番組の作り手の方々に集まってもらう。

テレビは変わったセッション

テレビ東京の飯田佳奈子氏は「シナぷしゅ」を作ったプロデューサーだ。MediaBorderの読者ならこの記事を思い出してもらいたい。

また名古屋テレビの大西真裕氏はキャンプメディア「ハピキャン」のマネージャー。これについても昨年MediaBorderに書いている。

MediaBorder読者なら、このお二人に「今後のテレビ」の議論に登壇してもらう意味はおわかりだと思う。

そしてさらに「水曜どうでしょう」で知られる北海道テレビ・藤村忠寿氏にも加わってもらう。なぜ藤村氏か?それはセッションを見てもらえばわかるはずだ。簡単に言えば「シナぷしゅ」「ハピチャン」と「水曜どうでしょう」には共通点があるからだが、ここではこれ以上言わないでおきたい。

ダイバーシティセッション

19日(金)13:00からは「ダイバーシティが広げる、テレビの可能性」。タイトルの通り、テレビにとってのダイバーシティがテーマだ。登壇者がユニーク。

まず、Inter BEE始まって以来初の「民放労連」の肩書で登壇するのは、フジテレビ所属の岸田花子氏。女性登用について民放労連女性協議会で行った調査について話してもらう。これについてもMediaBorderで前に扱った。

NHKで「バリバラ」を担当する空門勇魚氏にも登壇をお願いした。空門氏は「車椅子ディレクター」。自らもハンディを負いながら、「バリバラ」で時にラディカルに世間に障がいを持つ人の感覚を広めている。

そこになぜかテレビ東京で「モヤさま」「池の水を全部抜く」など人気番組を作ってきたプロデューサー伊藤隆行氏に加わってもらう。ダイバーシティをテーマにしたセッションになぜ伊藤氏なのか?それがこの企画のミソだ。

ヒントとして、筆者が伊藤氏にお声がけしたのはこの番組を見たからだ、ということを明かしておこう。

と言われてもわからないと思うので、とにかく参加してもらえればと思う。

最初にも書いたが、以上のセッションはアーカイブされて後から見ることもできるので、まずは幕張にぜひ出かけてもらえればと思う。2年ぶりのリアル開催で、各出展者がはりきって皆さんを迎えてくれるはずだ。久しぶりに幕張で、みなさんとお会いしましょう!

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