テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2021年05月号

テレビはそもそも、多様性に満ちたメディアではなかったか?

2021年05月07日 19:16 by sakaiosamu
2021年05月07日 19:16 by sakaiosamu

ダイバーシティという言葉が飛び交う時代になった。

いまは女性活用を語る際に使われることが多いが、本来は「多様性」という意味の言葉でもっと広い意味を持つ。

テレビ番組についてもダイバーシティが問われることが出てきた。女性活用で言うと、テレビ番組の出演者が男性が多かったり男女で役割が固定化されていないかが問題にされる。

テレビに出る人は中年男性と若い女性に偏っている

筆者も3月にYahoo!でこんな記事を書いた。

「おじさんの話を若くきれいな女性が聞く」テレビ番組出演者の傾向を分析する

見出しの「おじさんの話を若くきれいな女性が聞く」はちょっとしたイヤミも込めている。きっかけは、あるシンポジウムでたまたま見かけた大学生のプレゼンだった。その学生さんが自分である1日のテレビ番組の出演者を性年齢別に整理してグラフ化したら、その偏りがくっきり見えた。感心した私はその学生さんにコンタクトし、同じ考え方で一週間のデータを作成してみたら、実際におじさんと若い女性に出演者が偏っていることが鮮明に浮き上がってきた。

出演者ジェンダー調査全体

※上は、ドラマを除く全ジャンルの出演者の性年齢別グラフ

報道や情報番組・ワイドショーでは見事に「おじさんと若い女性」が多かった。バラエティの場合はそこまでではなかったが、やはり似た傾向があった。

やはりテレビ番組のダイバーシティはまだまだだ、と感じ記事にした。

テレビは以前、多様性を持っていたのではないか?

だがその後、ちょっと違ったのかな?と考え直した。「ダイバーシティはまだまだだ」とすると、前々から同じ偏りがあったことになる。それが時代の変化に合わせて多様化に向かうはずだ、と考えていたのだが、認識が誤っている可能性があると気づいたのだ。

むしろ、以前のテレビ番組の方が多様性はあったのではないか?

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