テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2021年03月号

新しい時代〜山本英治氏寄稿〜

2021年03月19日 10:03 by sakaiosamu

Introduction
山本英治氏からの寄稿。テレビとネットの間で仕事してきたベテランの視点で、「時代の変わり目」を語ってくれたもの。面白いので、じっくり読んでいただきたい。

 

書き手:毎日放送・山本英治

毎日放送の山本と申します。私は一旦定年退職して、今は再雇用のシニアスタッフとして働いているのですが、最近とみに「あ、自分はもう必要とされていないのだなあ」と感じることが多くなりました。

いや、年寄りのひがみや愚痴じゃないんです。もう我々の、と言うか、自分の役割は終わったのだという、ある種達成感のようなものも含まれています。

思い起こせば私は、1990年代の後半辺りから、インターネットに関わる仕事をしたいという思いが日々強くなってきました。当時はテレビ編成部に所属していましたが、新しいもの好きのプロデューサーが勝手にホームページを作っていろんな展開をしたりするのを喜ばしく眺めていたものです。

そして、2006年にやっとのことで本社メディア局デジタルコンテンツ部長の職に就かせてもらった頃から、社内でずっと放送とインターネットの連携/融合の必要性や意義を訴えてきました。

当時の敵は「放送かインターネットか」という、二律背反、二項対立、二者択一の発想でした。

「そんなこと考える暇があるんなら、もっと番組の企画について考えろ」などと言われました。

あくまでテレビの番組作りが第一、インターネットなんて番宣手段のひとつでさえない、ただのオマケ、あるいはひどい場合は阻害要因だと考えられていたのです。

「インターネットを見るとテレビを見なくなるじゃないか」ともよく言われました。私は当時からそれは間違いだとずっと言い続けてきました。「もしそうであればお風呂もテレビの敵です。ラダイト運動みたいに日本中のお風呂を打ち壊さなければなりません」と反論しました。

繋がることで視聴は広がるはずなのです。

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