テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2020年07月号

続・視聴率という厄介な代物

2020年07月03日 10:23 by sakaiosamu

イラスト:イラストや

Introduction
MediaBorder2019年6月号に「視聴率という厄介な代物」という文章を寄稿してくださった毎日放送の山本英治氏。その一年後にまた視聴率についての文章を書いてくれた。「続・視聴率という厄介な代物」と題して、2020年の視聴率の厄介さについて書き綴っている。生々しい”愚痴”をみなさんと共有したい。

 

 

書き手:毎日放送・山本英治

 

なんか、こう、力入らないんっすよね。

ええ、まだ日本全土とは言えませんが、東京や大阪の放送局が世帯視聴率から個人視聴率にシフトしようとしていて、局によっては「全個人」とか、ウチの場合は「ファミリーコア」という区分の番組平均視聴率を標準に置いてるんですが、そうすると数字が減るんですよね。

当たり前じゃないかと言われると当たり前なんですが、これ、数字が減っちゃうと、なんか、こう、力入んないんっすよね。

前はゴールデンタイムの新番組ならとりあえず 10% を目指してたわけじゃないですか。もっと昔は 10% が番組継続の最低条件でした。それが今や毎日見る数字が(ファミリーコアの場合) 3%とか 4% とか、いや、G帯でも下手すると 2%台、それ以外の時間帯だと 1%台だったりするわけですよ(全個人ならもっと高いですが)。

なんと言うか、ラグビーやアメリカンフットボールでトライやタッチダウンが2点とか3点になっちゃったような感じ。あるいは、野球でダイヤモンドを3周しないと1点入らなくなっちゃったみたいな感じ。

張り合いないんですよね。ラジオ並み。と言うか、ラジオの皆さんはよくこれでモチベーション保って来られたなあと、改めて頭が下がる思いです。

しかも、一斉に切り替えたもんだから、去年までの視聴率との比較が難しい。まあ、調べ直しゃあすぐに分かるんですけどね。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

著作権法改正で同時配信の手続きは本当に楽になるのか〜塚本幹夫氏寄稿〜

2021年04月号

新しい時代〜山本英治氏寄稿〜

2021年03月号

都会のテレビ制作者の苦境と地方の衰退、二つの課題を解く鍵「大山モデル」:後編〜脇浜紀子氏寄稿〜

2021年03月号

読者コメント

バックナンバー(もっと見る)

2021年04月号

春は来た。すでに桜は散り始めたが、コロナは居座り続けている。メディアの世界...

2021年03月号

ネットに配信されたテレビ番組をテレビ画面で見るとき、私たちが見ているのはネ...

2021年02月号

コロナ禍とともに押し寄せるメディアの危機。緊急事態宣言は延長されたと言って...