テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2019年11月号

AppleTVはNetflixと勝負する気はさらさらなさそうだ

2019年11月05日 13:02 by sakaiosamu
2019年11月05日 13:02 by sakaiosamu

11月に入り、AppleTV+がサービスを開始した。春に発表され、9月のAppleのプレゼンテーションでいちばん最初に内容が発表された、鳴り物入りのSVODサービスだ。筆者もさっそく視聴してみた。使用レポートをお届けしよう。

筆者はAppleTVを持っている。名称がわかりにくいが、AppleのSTBでテレビに繋ぐと様々なVODサービスが一通り視聴できる。NetflixやHuluはもちろん、U-NEXTやAmazonPrimeVideo、FODとParaviも利用できる。その中に「AppleTV」のアプリがいつの間にか入っている。これを開くとAppleTV+に入れる。ここが少しわかりにくい。AppleTV = AppleTV+なのか何なのかがはっきりしない。SVODのようで、これまでの個別課金の映像サービスと区別がつかない。構造としてはAppleTVの中にAppleTV+が入っている、という状態。注意しないと、うっかり別途料金がかかるコンテンツを押しかねないと思う。

操作していると徐々にわかってくるのだが、AppleTV+はNetflixやHuluとはかなりちがうサービスだ。例えばNetflixはオリジナルの映画やドラマがありながらも、他社製作の映画やドラマも大量に並べている。SVODサービスの基本は大量の品揃えだ。Netflixはそんな中、この5年間ほどオリジナルの製作に力を入れてきたが、他社作品の方が数は多い。SVODとはそういうものだった。

AppleTV+はオリジナルのドラマが魅力だ。ただ、他社製作のコンテンツはない。そういう、品揃えで勝負する気が全くないのだ。ただ、メニューに他社作品も並んでいて、それを選ぶとAmazonPrimeに誘導されたりする。

おいおい、図々しいなあ、と思った。どうやら前提として、AmazonやNetflixにすでに加入しているユーザーを想定しているようだ。確かに、筆者はAmazonに加入しているので、AmazonPrimeで見放題に入っているコンテンツがあらためてAppleTV+で見れたとしても意味がないのだ。

これは手抜きなのか?そうとも言えるが、そうとも言えない。どういうことか?

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