テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2019年10月号

関西発ネットニュースに可能性はあるか 「まいどなニュース」を勝手考察

2019年10月25日 11:31 by sakaiosamu


※「まいどなニュース」画面

Introduction
弁護士ドットコムニュース編集長の新志有裕氏による隔月連載。今回は、地域メディアについて書いてもらった。ニュースを発信するほとんどのWEBメディアは東京発信だ、との指摘は重要だ。だからこそ、地域のためのメディアが、地域から全国に発信することは必要な気がする。「まいどなニュース」を題材にした新志氏の論考を、ぜひ読んでもらえればと思う。


 

 

 

書き手:新志有裕(弁護士ドットコムニュース・編集長)

 多くのネットニュース関連企業の本拠地が東京にあり、そこから流れてくるネタは、マスメディア以上に関東のネタが多いように感じます。そこで私がずっと目をつけているのが「関西」です。三大都市圏だけに人口も多く、歴史・文化の厚みは相当なものがあります。これまで地元の新聞社や放送局は主に、関西のネタを関西の人たちに向けて提供してきましたが、関西の豊富なネタをもっと全国に発信する流れが生まれると面白いのではないでしょうか。今回、関西発のネットニュースの可能性について、考えてみます。

関西から「外」に発信する姿勢を明確にした「まいどなニュース」

考えてみようとおもったきっかけは、神戸新聞社や京都新聞社などが運営(放送局ではサンテレビやラジオ関西が参加)する関西発のネットニュースサイト「まいどなニュース」(https://maidonanews.jp/)を最近見かけることが増えたからです。2019年4月にサービスを開始し、8月の月間PVは1680万、UUは350万とのことです。


※「まいどなニュース」参加メディア

 

サイトの紹介文には「一見フレンドリーで物腰やわらか。でも本質は関西人のしつこさで見逃さない。笑いの向こうに驚きや発見がある情報を、全国、そして世界へ発信していきます」とあり、関西の情報を外へ発信する姿勢が明確になっている点がユニークです。

 もちろん、NHKや民放キー局、全国紙も、関西の情報を全国に発信していますが、全国メディアである以上、特別に関西だけをフィーチャーできるわけではありません。一方で、関西の民放各局、神戸新聞や京都新聞といった地方新聞は、当然のことですが、関西の情報を関西に伝えることが中心になっています。そこで、ネットでは、関西の情報を全国に伝える、という部分が、相対的に手薄になっているのではないかと、以前から思っていました。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

事件への対応〜テレビは神経質になりすぎていないか〜(山本英治氏寄稿記事)

2019年11月号

NHKネット展開の究極アイデア、コンテンツを誰でも使える「オープンデータ」にしたらどうなる?〜〜新志有裕氏隔月連載〜

2019年08月号

放送同時配信 私が「地域制御、常時同時」にこだわる理由〜塚本幹夫氏寄稿〜

2019年08月号

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2019年11月号

メディアはすでに、次のステップへと走り出した。そう実感させられることが次々...

2019年09月号

メディアは長らく、過渡期と言われてきた。だがこの秋、過渡期は終わるようだ。...

2019年08月号

長い長い梅雨が明けると、灼熱の夏が待っていた。オーブンのような日差しにさら...