テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2019年07月号

令和のテレビは、令和のメディアになれるだろうか〜4:広告メニューの新たな開発

2019年07月04日 15:22 by sakaiosamu
2019年07月04日 15:22 by sakaiosamu

令和のメディアにとって重要になりそうなキーワードは多々ある。公共性やSociety5.0といった社会貢献的な要素も最近は議論に上るようになるなど、考えるべきテーマは多岐に渡っている。いまちょうど九州が豪雨に見舞われており、災害をどう伝えるか、ローカル局もキー局も悩みながら放送しているのがよくわかる。

多様なキーワードの中で筆者が最重要と考えるのが、広告だ。当然ながら、民放にとって収入の根幹であり、広告にどう対処していくかが結局は生き残り方を左右する。公共性にしても、他のテーマも実は広告を基礎に置いた上でとらえるべきだ、というのが私の考え方だ。

一方で、広告について何か新たに考えることなどあるのか、という意見もあるだろう。放送事業にとっては、番組の間にCM枠を設けてその枠を売る。それ以上でも以下でもないのではないかという意見はもっともだ。そこが最初であり、そこが終着点であるのはこれからも変わりはないと思う。

だがその上で、考え直すべき点はあるのではないか。「枠を売る」にしても、放送事業にとっての広告のあり方をもう一度考えてみる必要があるのではないか。そのヒントとして描いたのが上の図だ。広告枠をコンテンツの間に挿入してその枠を売るのが放送ビジネスの基本。一方で、右の図のようにコンテンツと広告の「重なり」を意識することでやり方が変わってくるのではないか。

そう感じさせたのが、6月30日の映画「君の名は。」のテレビ朝日系列での放送だった。

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