テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2019年06月号

視聴率という厄介な代物〜山本英治氏寄稿記事〜

2019年06月17日 15:58 by sakaiosamu
2019年06月17日 15:58 by sakaiosamu

 
イラスト:いらすとや

Introduction
毎日放送の社員でTwitter上では「ほなね爺」の名で知られる山本英治氏が寄稿してくださった。昨年7月の「愛と幻想の配信イズム」以来ほぼ一年ぶりだ。今回は、世帯視聴率と個人視聴率について。現場感あふれる視聴率の「実情」が過去から現在までよくわかる内容になっている。個人と世帯の議論がいかに古くて新しいものか。そしてどれほど”厄介”なものか。じっくり読んでもらいたい。

 

 

書き手:毎日放送・山本英治

私は放送局での長いサラリーマン生活のうちの 10年をテレビ編成局で過ごし、そのうちの 3年は視聴率調査を担当していました。そのせいで、昨今さまざまな書き手によってネット上で展開されている視聴率に関する考察があまりにいい加減に思えてイライラしてしまうことがあります。視聴率はお前らが俄勉強の知識で書けるほど浅いもんじゃないんだよ!と叫びたいくらい。

まあ、仕方ないですよね。大工さんだったら他人の家にお邪魔した際にも家の建付けが気になるだろうし、シェフだったらそこら辺の定食屋で飯食っても一言教えてやりたくなったりするもんでしょう。それとおんなじようなもんです。でも、素人には大工さんの技もシェフの工夫も解るはずがありません。それこそそんなことを言い出したらキリがないのです。

でもね、ちょっとこれだけはどうしても言っておきたいって思うことがあるんですよね。

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