テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2019年05月号

令和のテレビは令和のメディアになれるだろうか〜1:ネット融合〜

2019年05月07日 08:37 by sakaiosamu
2019年05月07日 08:37 by sakaiosamu

令和という新しい時代が始まった。何もかもが、新時代に合わせてリニューアルしようとしている。さて昭和の時代に産まれてメディアの王様の座についたテレビは、平成もインターネットにその座を脅かされつつもなんとか王座を守り抜いた。令和の時代になり、テレビはその王座を守れるのだろうか。誰もが気づいているように、今のままでは王座から滑り落ちるのは目に見えている。だがそれでもテレビが令和の時代に強い存在感を発揮するにはどうしたらいいのだろう。

前向きに言えば、それは令和への改元を好機とし、必要なリニューアルをテレビが果たすべきという事だ。また令和の時代にテレビが新たなメディアとして生まれ変われれば、王座を失わなくても済むかもしれない。ここでは、その果たすべきリニューアルについて考えてみたい。

ネットをフルに生かして便利になる

テレビは不便だ、とよく言われる。少しテレビの肩を持つことを言えば、スマートフォンという革命的に便利なデバイスが登場したために、テレビは「不便」のレッテルを貼られてしまった。考えてみれば、スイッチを入れてチャンネルを選ぶだけで多様な放送が視聴できるテレビは便利この上なかった。あくまで、スマホという比べる対象が出てきたために不便と言われてしまっているのだ。

だからこそ、テレビはスマホでしっかり足場を作ることで、便利になれるはずだ。リニューアルすべき方向性ははっきりしている。いつでもどこでも使えるスマホの上で、いつでもどこでも視聴できるメディアになればテレビは便利になれるのだ。さらに言えば、テレビ端末でも同じことができるようになればいい。

下の図は、ある講演で使った「令和のテレビ」を示したスライドだ。ぱっと見るだけではわかりにくいので少し解説しよう。

 

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