テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2019年02月号

テレビの逆襲が始まる?!VR Forum2019開催、新視聴率計画の2020年始動を公式発表!

2019年02月20日 10:37 by sakaiosamu
2019年02月20日 10:37 by sakaiosamu

2月13日と14日、東京国際フォーラムでビデオリサーチ社によるVR Forumが開催された。昨年は3月1日の1日だけの開催だったが、今回は二日間に渡って充実したプログラムが大々的に展開された。テレビ視聴を中心にメディアデータについて多様なセッションが繰り広げられ、大変学びの多い催しとなった。紹介したいセッションは多々あるが、ここでは今回のForumの核となる「テレビのメディアデータ整備の考え方」と題した同社テレビ事業局長、橋本和彦氏の講演をレポートしたい。今後のテレビ視聴データの基盤として同社が掲げる「新視聴率計画」がいよいよ2020年から本格稼働することが宣言された、重要なプログラムだった。そこには、どこか保守的と言われてきた「視聴率の守護神」ビデオリサーチ社が、アグレッシブに”攻め”に出る姿勢が感じられる。テレビというメディアを取り巻く急激な変化と、なおも業界から浴びる期待に、体を張って応えようとするファイターの意気込みが十分に伝わってきた。

「新視聴率計画」 は日本中の番組視聴を把握すること

ビデオリサーチが発表した「新視聴率計画」。その考え方は上のスライドの左側に明確に示されている。強引にまとめて言うと、求められている計測に対応する、ということだ。テレビ広告を出稿する企業からは、ネットに比べてテレビはデータが不十分だと言われてきた。それを一気にクリアし、すべて要望通りに整えます!という宣言が「新視聴率計画」と考えていいだろう。

具体的な答えはスライドの右側に示されている。全地区で52週つまり毎週計測。世帯ではなく個人視聴率を計測する。タイムシフト視聴も全地区で計測し、BS、そして動画配信も計測対象とする。つまりテレビ視聴をフルフルで把握できる体制を整えます、ということだ。なかなか力強い。ただ、ここまでは去年のForumで言っていたこととあまり変わらない。何が違うのか。これまでは「いつ」整えるのかが明確ではなかった。今回のForumでは時期をはっきりアナウンスしたのだ。それがわかるのが次のスライドだ。

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