※雑誌「ソトコト」2018年2月号WEBサイトより。関係人口の特集号。ソールドアウトだが電子版で読めるはずだ。
関係人口は「関わりしろ」を提案すれば増やせる
雑誌「ソトコト」編集長・指出一正氏へのインタビュー、後編では関係人口の視点から見たローカルメディアについてお聞きする。
その前に、関係人口とは「観光以上、移住未満」だと前編で解説してもらったが、もう少し掘り下げて説明をうかがう。関係人口は観光人口よりもっと、その地域に近い人たちということだが、具体的には「 積極的に関わることに重きを置いている」人たちだという。
「 関係人口は、その地域づくりや町づくりにコミットしていく人たち、潜在的にコミットしていくであろうタイプの人たちなので、観光人口とはちょっと違います」
関係人口はどうしたら増やせるか。これについて指出氏は「関わりしろ」を提示できるかが大事だと言う。
「若い人たちをなびかせるためには、うちはこんなに若者向けの設備がいっぱいあって楽しいですよと言うのが正攻法だとまだ思ってる人たちが多いですけど、もう満ち足りた世代ですから。それよりは、自分だったらここで何かできそうだな、と思わせてくれるような環境がある場所、それを魅力と見れる視座ですかね。うちはボロボロの行政だからと言ったら、そこにはもう視座がない。自分たちの町がボロボロであろうと、関わりどころ、自分の町の中に「関わりしろ」をちゃんと見つけて提案できることが大事ですね」
この「関わりしろ」をもう少し具体的に言うと、こんなことだ。
「例えば、空調も完璧でアメニティも整ったリーズナブルな温泉施設がある、という言い方をするのではなく、冬は豪雪だけれども地熱がすごくて、しかも空き家がたくさんあって、その地区の全部の戸建てに源泉かけ流しの温泉が湧いてる。これをなんか使ってくれたらうれしい、というようなことが言えるかどうかです。完成されたものじゃなくて、こういうところがあるんだけど、ここから先どうしたらいいのでしょう?と問題や困ってることを自然体で投げ掛けられる人たちがいるかが大事ですね」
素晴らしい設備の温泉があるから来てくださいと呼ぶのが観光人口だとしたら、設備にどこか欠けた要素があるのをどうしたらいいか一緒に考えてもらうのが関係人口、ということだろう。
さて、そんな関係人口の考え方で見た時、ローカルメディアはどうあればいいのか、さらに聞いてみた。
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