テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2018年09月号

地域密着をさらに進化させる。MBC南日本放送の意欲的取り組み

2018年09月04日 19:02 by sakaiosamu

8月号では二回に渡って福岡のKBC九州朝日放送について記事にした。今月号では、鹿児島のMBC南日本放送の最新動向をレポートしたい。筆者は福岡生まれだが、鹿児島は中学高校の青春時代を過ごした第二の故郷だ。福岡に続いての鹿児島の放送局のレポートは、個人的思い入れたっぷりであることを白状しておく。

MediaBorderの前々からの読者なら、2016年12月のMBCに取材した記事は憶えているかもしれない。地域のための放送が視聴率にもつながって三冠王を取った、その秘密を探った内容だった。

三冠王を取れるのは、地域の現在を映し出しているからだ〜MBC南日本放送取材記(1)

「地域のための放送局」を愚直なまでに貫いて、三冠王〜MBC南日本放送取材記(2)〜

今回は二年前に聞きそびれた部分を中心に、もっと深くMBCの地域密着を掘り下げる。取材に応じてくれたのは、編成局長兼編成部長の切通氏、メディア戦略室の俵積田氏。MBCの地域密着を具体化してきた中心人物だ。

視聴率的には相変わらず好調で、2018年度第一四半期(4月-6月)はまた三冠王を獲得したそうだ。原動力はやはり水曜7時の「てゲてゲ」、8時の「どーんと鹿児島」など自社制作番組の高視聴率だ。鹿児島県民に、鹿児島県の情報を楽しく送り届ける姿勢が数字にもつながっている。他局はキー局制作の数千万の制作費で作られている番組を流しているわけで、おそらく制作費で言うと100分の1の番組が視聴率で勝利している。そこには放送局に求められる大事な何かがあるのではないか。

県内の多様なメディアと連繋を進める

さて二年前の記事でも紹介したが、MBCは県内の多様なメディアと連携している。CATVやコミュニティFMとの関係を築いてきたが、最近はネットメディアとの連携もかなり進んだそうだ。

これも前に紹介した通り、連携メディアの番組や映像はMBCの番組内で活用している。ある意味、鹿児島のメディアはMBCの地上波を通じてフラットに存在しているのだ。そしてMBCはこうした”ネットワークで作る”姿勢によって自社制作比率を高めている。

他のメディアとの関係づくりは、かれこれ十数年前から取組んできたそうだ。最初は俵積田氏が連携を申し込もうと訪ねてもけんもほろろで追い返された。そこをなんとかと粘り、酒の席も共にすることで徐々に打ち解けてもらえたという。コツコツと積み重ねた努力がいま、大きく花を開かせている。

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