テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2018年06月号

放送改革論議は終わったのではなく、はじまったばかりだ。

2018年06月18日 14:19 by sakaiosamu
2018年06月18日 14:19 by sakaiosamu

6月4日に規制改革推進会議の第3次答申が発表されたが、その後はとくに大きな動きもない。またこれに関する記事をときたま見かけるが「安倍首相は4条撤廃を諦めていない」という論調のものばかりだ。つまり「反アベ」の主張のために放送改革をネタにしているにすぎない。言い方を変えると、こうした論を展開する人びとの主眼は首相批判であって、放送の未来に大した関心はないのだと思う。これは別の見方をすればとんでもなく放送を軽んじているのだ。この点を、放送業界やメディア関係者は強く認識しておいたほうがいい。首相官邸は放送の未来を真剣に考えていないのだろうが、こうした論者も同じように放送の未来は考えていないのだと思う。放送業界はそうした論に振り回されないようにすべきだ。

そして、同様に心すべきなのは、4条撤廃が入らなかったからといって、放送改革論議は終わっていないということだ。むしろ規制改革推進会議が提示したのは「論点」だ。これまで散発的に出てきた課題をひとまとめにしたものであり、考えて解決するのは放送業界の一人ひとりなのだと思う。「制作現場」の問題などまさにそうではないだろうか。

筆者は、来週6月25日に角川アスキー総研主催でのセミナーを企画している。3月に首相官邸発とおぼしき過激な放送法改革案をスクープした原真氏と、規制改革推進会議の投資等ワーキンググループの座長・原英史氏の二人の”原氏”を軸に、元日本テレビで佛教大学教授・大場吾郎氏と元フジテレビでワイズ・メディア代表・塚本幹夫氏の二人の”元テレビマン”にも参加してもらい、放送改革を議論していただく。

前半ではこれまでの流れを整理する。新聞の報道でも、議論の経緯を調べずに書いたものも多い。何がどう進んできたのかをまず整理したい。

その上で、第3次答申の放送についての提言を見ながら、今後の放送のあり方を議論してみたい。第3次答申の良し悪しを議論するというより、それを概観した上でその先の議論にまで進めればと考えている。

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