9月27日のA-PAB(一般社団法人 放送サービス高度化推進協会)で境が行った講演。本誌9月29日付の記事では講演からの記事その1をお届けした。
→テレビはネットでメディアになれているのか?〜A-PAB講演より・その1〜
10月号最初のこの記事では、その続きを書いておきたい。
その1で書いたのは、「テレビはネットで“メディア“にまだなっていない」ということだ。番組の見逃し配信サービスはすでにはじまっており若い人の間ではかなり普及している。だが“メディア“の本質とは「いま何が起こっているか」に答える存在であり、見逃し配信はそれとはちがう役割だ。ネットでもテレビが“メディア“と呼べる存在になれるかどうかが今後問われるのではないか。そういった内容だった。
本稿ではそれを受けて、ネット上でメディアになると広告メニューを新たに開発できて収入増になるはずだ、という論を展開しよう。
ここで言いたいことを先にまとめておくと、こういう筋道になる。
ネットでテレビも「メディア」になって「いま何が起こってる?」に答えられる存在になる
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スマートフォンでもソーシャルメディアやYahoo!並みに「ヒマな時に開く」存在になる
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トラフィックが上がると広告メディアとしてのビジネス価値が高まる
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放送による収入が減ってもネット上で広告収入が得られるようになる
テレビのこれまでの強さは、メディアとしての圧倒的な強さにあった。しかしネット上では見逃し配信など「放送の補完」的なサービスしか展開できていない。前回に書いたようにネットでもメディアとしてユーザーに認めてもらえれば、ネット上でも「メディアとして強い」存在になり、おのずからそこでの広告収入が伸ばせるはずなのだ。今後の放送収入の減少を補い新たな成長をも視野に入れるようになるには、ネット上での広告ビジネスをテレビが構築する必要がある。
それではテレビが取組むべきネットでの広告ビジネスとはどんなものだろう。
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