※画像はTVerリリース文書より
2015年10月にスタートしたTVer。もはや説明はいらないと思うが、民放が共同で運営する見逃し配信サービスだ。2014年1月に日本テレビがはじめて以来、見逃し配信サービスに在京キー局それぞれが取組むようになり、その究極の形として登場したのがTVerだ。2016年10月クールの「逃げ恥」がTVerでよく見られたことでかなりメジャーな存在になった。「逃げ恥」では、見逃しでの再生数増が視聴率を高めたらしいとも言われた。
若い人たちの間では「テレビ番組を見逃してもTVerで見ればいい」ということはかなり浸透しつつあるようだ。生活に馴染みはじめたと言っていいTVerは、次のステップを踏む時期に来ていた。
本日8月24日、TVerはインターフェイスの大幅なリニューアルを果たした。それを伝えるリリースによれば、累計ダウンロード数は850万、月刊動画再生回数は1,800万回を超えたという。
リニューアルのポイントは4つ。「ホーム画面の新設」「パーソナライズの強化」「さがす機能の強化」「シェア機能の強化」だという。
50コンテンツでスタートしたTVerも、徐々に数が増えていまは常時150コンテンツになった。当初のインターフェイスではコンテンツが多すぎて操作したり探したりしにくくなっていた。そこで視聴履歴からのおすすめや特集などで番組を選びやすくするのが今回のリニューアルの目標のようだ。
ある女優が主演するドラマを見た履歴の人に、その女優が出る新作ドラマをおすすめすれば、その人にとってうれしいレコメンかもしれない。それが別々の放送局でも、その人は新作ドラマを見たくなる可能性がある。TVerには各局が参加しているからこそ、そんな風に局を超えた展開もできるだろう。
新しい機能の中で私が注目したのは「シェア機能の強化」だ。番組の再生画面の右上に「シェアする」ボタンがついており、TwitterかFacebookで番組をシェアできるのだ。しかも、番組の途中をシェアできる。
つまり、「このドラマのここが面白かったよ!」というシーンを共有できるのだ。このところ、テレビ番組の中でタレントが発言したことが「○○○が△△△と驚愕発言!」のような見出しで記事になることが多い。だが映像はついていないので実際に発言した場面は見れなかった。だがTVerのシェアボタンを活用すれば「このドラマのこの場面が爆笑だった!」という共有ができる。テレビ視聴が、ネットの感覚に合わせて起こした進化だと思う。
テレビは不便だと、よく言われる。放送は時間に縛られるからだ。だが同時に、テレビ番組は最強のコンテンツでもある。TVerが、見たい時に見たい番組を視聴できるようにしたことは、その不便さからテレビを解放することだ。TVerの進化とは、テレビの進化かもしれない。
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