5月22日午後、有楽町ホールでJAAA動画広告フォーラムが開催された。筆者もプレスとして参加させてもらえたので、レビューしておきたいと思う。
まずJAAAとは、昭和25年に発足した業界団体で、主に広告代理店が所属している。発足年からわかる通り、メインは旧来メディアをベースにビジネスをする代理店で、いまはネット系の代理店も会員社に名を連ねているものの、ざっくり言うと電通博報堂ADKなど総合代理店を中心にした組織だ。
そのJAAAが昨年2月に初めて「動画広告フォーラム」を開催し、その意義は大きいと当時受け止めた。テレビに代表されるマスメディアを売り物にしてきたJAAA所属の代理店が、「動画広告」をビジネスの場として本気で打ち出した、と捉えられるからだ。
一年前のフォーラムでは、登壇したパナソニックの方に後日取材し、ここでも記事にしている。
→「テレビCM中心」から「テレビも含めたデジタル」へ〜パナソニック・木村知世氏が語る企業コミュニケーション最前線〜
それだけ私は、フォーラムにインパクトを受けた、ということだ。このインタビューで言うと、テレビCMを中心に考えるのではなく、すべてのメディアをニュートラルに捉えて必要に応じて使いこなすことを実践していることに驚きを感じた。
つまり、動画広告を考えることは、広告のあり方の全体像を捉え直すことなのだ。
その動画広告フォーラムが今年も開催されるということで、勇んで取材に行った。
会場は1000人規模で、ほぼ満席。昨年のフォーラムが500人だったので、2倍だ。広告代理店はもちろん、テレビ局の参加者も多く、この領域への関心がますます高まったことが目に見えてわかった。
プログラムは以下だ。
- 開会あいさつ JAAAテレビ小委員会委員長 桜井 徹哉(博報堂DYメディアパートナーズ 取締役常務執行役員)
- キーノート1 「一周まわってテレビ~マルチスクリーン時代の動画視聴体験と広告~」 奥 律哉(電通総研 メディアイノベーションラボ統括責任者)
- キーノート2 JAAAテレビ小委員会 米英視察団報告「米英および日本のテレビ/動画ビジネスの動向」 飯塚 隆博(博報堂DYメディアパートナーズ 動画ビジネス局局長代理兼テレビ戦略部部長)
- デモンストレーション スマートテレビの今 田代 奈美(博報堂DYメディアパートナーズ データドリブンビジネス開発センター開発推進部)
- 講 演〈広告主ケーススタディ〉 「サンヨー食品『和ラー』新発売キャンペーンでの動画広告活用」 篠原 幸治(サンヨー食品 取締役マーケティング本部長)
- パネルディスカッション
「放送と放送局発配信ビジネスの役割とは?」
土橋 代幸(トヨタマーケティングジャパン 取締役)
龍宝 正峰(TBS-HD メディア戦略室長)
尾関 光司(ビデオリサーチ 取締役)
帖佐 祐樹 (ADK メディアビジネス本部ビジネス開発担当)
モデレーター 湯川 昌明(電通 ラジオテレビ局局長補) - クロージング 髙橋 宏昭(博報堂DYメディアパートナーズ 動画ビジネス局局長)
- 閉会あいさつ 村井 知哉(JAAA専務理事)
13時スタートで17時終了予定。実際には15分ほど押して終わったが、中身の濃い充実したフォーラムだった。
ここでそのすべてをレビューできないので、 とくに最後のパネルディスカッションについて、ポイントを抜き出してお伝えしようと思う。何しろ、TBSの龍宝さんがカッコよかったのだ。(ここから先は登録読者のみ)
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