テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2016年11月号

テレビ視聴の断片化と分散化、これから必要になる共創〜InterBEE Connected直後レビュー

2016年11月21日 09:24 by sakaiosamu
2016年11月21日 09:24 by sakaiosamu

 

11月16日から18日まで開催されたInterBEEが無事終了した。今回は会場も少し拡大し、来場者は過去最多の38,047名になったそうだ。その中で、テレビとネットの融合をテーマにしたコーナー、InterBEE Connectedも三年目を迎え充実した内容となった。

筆者は会場に貼り付いて各ブースと全セッションを取材した。個々のレポートはInterBEEのサイト内で記事が公開されていくが、ここではMediaBorderの読者向けに簡単にレビューをお伝えしておきたい。

 

今年の出展企業は11で、昨年から少し減少している。これは、Connectedのコーナーを飛び出して一般枠で出展した企業がいくつかあったからだ。放送業界になじみのなかったIT企業などにとって、ConnectedがInterBEEへの入口役を果たしていると言えるかもしれない。

出展ブースでの展示で筆者がもっとも注目したのはHAROiDだった。この秋に行ったKIRINのCMでのOtoOtoO企画を展示していたのも目を引いたが、筆者はそれよりDMPの活用に関するデモに興味をそそられた。

HAROiDブースでは安藤聖泰社長自らデモを説明してくれた

これはローカル局でも活用できる仕組みで、うまく使えば新しい広告メニューを持つことができる。このDMPについては、別途レポートしたい。

展示会場の隣りでは三日間で13ものセッションが行われ、それぞれ中身の濃いセミナーが一度に開催され非常に充実したものとなった。去年の150名規模のセッション会場を200名に拡大したが、個々のセッションで、多くの参加者が席を埋めた。中でも、Connectedの恒例となった「キー局の動画配信」は例年にも増して参加者が押し寄せ、会場は大賑わいとなった。

さて盛り上がったInterBEE Connectedだが、多彩なセッションを立て続けに見ていくと、2016年のテレビの共通課題のようなものが見えてきた。それは、テレビ視聴の断片化・分散化がはっきり進んでいること、そして今後のヒントとして共創の概念が必要になりそうなことだ。これらについて少しだけ掘り下げておこう。(ここから先は登録読者のみ)

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