テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2016年06月号

「メディア定点調査2016」はこう読め!〜道具ではなくメディアになったスマートフォン〜

2016年06月24日 12:45 by sakaiosamu

筆者が毎年いまかいまかと待ち望んでいるデータ発表がある。ひとつは、2月20日前後に電通が発表する「日本の広告費」。テレビ、新聞などメディア別に前年の広告費が集計されて出てくるのだ。メディア動向について情報発信するようになってから、物事を考える基盤となっている。

そしてもうひとつが、博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所が発表する「メディア定点調査」。とくに性年代別のメディア接触時間のデータはいつも気になるところだ。そのグラフをもとに、例えば若者層がどう変化しているかなどを考えてきた。

その「メディア定点調査」2016年版が、6月20日に発表のリリースが出た。今後また、彼らのセミナーなども開催され、詳しい解説なども出てくると思うが、ここではリリースを見て私なりに感じたこと、重要だと思う点を書き述べてみたい。

まずは概観的なデータ。メディア別に接触時間を集計したグラフで、2006年から今年までの推移がわかるものだ。

博報堂DYメディアパートナーズ  メディア環境研究所 メディア定点調査2016より

このグラフで面白いのは、2014年から対象にタブレット端末が加わったこともあり、スマートフォンとタブレットの分数がぐいっと上昇している点だ。テレビや新聞の時間が意外に少しずつしか減少していない一方で、モバイルの時間が急上昇し、結果的にメディア接触時間全体が大きく増えている。

ここには「ながら視聴」も含まれているだろうが、とにかくここ数年で劇的にメディア接触時間が増えた。つまり情報量が格段に増加しているのだと言えそうだ。

そしてリリース文のポイントにもなっているのが、2016年でついにスマホ+タブレットが全体の3割近くになった。テレビに次ぐ情報接触デバイスがスマートフォンになったということだ。

このデータは全世代平均だ。もっと細かく性別年代別に見たいなら、このグラフを見るといい。

博報堂DYメディアパートナーズ  メディア環境研究所 メディア定点調査2016より

見て明らかなように、若者層と中高年ではグラフの”形”がまるで違う。若者層ではスマホ+タブレットがテレビを大きく上回っている。一方中高年ではテレビだけでなく新聞やラジオも含めて長く、スマホ+タブレットはわずかだ。ここにメディア接触の年齢差が強く出ている。

若者層の数字はここ数年でどう推移しているのかも気になってくる。これは、メディア定点調査の過去のデータと2016年版を照らし合わせれば一目瞭然だ。さっそくやってみたものを見てもらおう。(ここから先は登録読者のみ) 

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