ルールは一つ。この屈辱を忘れるな。
Netflixは本日3月4日17時より、オリジナルドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』全シーズンを日本でも配信しはじめた。
同作はNetflixのオリジナルドラマ第一弾で、ケビン・スペイシーとデビッド・フィンチャーがタッグを組んで製作された。豪華なキャスティングだけでなく、ユーザー解析によって題材やスタッフ・キャストを決めたことも大きな話題になったものだ。
ところが昨年9月にNetflixが日本でサービスを開始した時、ラインナップされておらず、人びとをがっかりさせた。それがローンチから半年で全シーズン配信。シーズン4は世界同時配信(同作をそもそも配信していない国もあるのでそこはのぞくことになるが)とのことだ。
ローンチ時に配信できなかったことはNetflixにとっても忸怩たる思いがあるだろう。同作を製作した当時は日本でのサービス開始はほとんど想定していなかったのだ。日本でも配信せねばと、これまで歯がゆい思いをしていたにちがいない。
作品のキャッチフレーズ「この屈辱を忘れるな」にはそんな意味も込められているのではと想像したくなる。筆者もNetflixのラインナップにはいまひとつ馴染めず飽きかけていたので、ひとりのユーザーとしても大いに刺激されそうだ。同作はhuluでシーズン1までしか見ていなかったし、日本では他のプラットフォームでもシーズン2までしか視聴できなかった。シーズン3を待ち望んでいた人も多いだろうし、米国と同時にシーズン4まで配信されることは、ユーザー心理においても大きいのではないだろうか。
Netflixはローンチ後目立った動きがなく、話題にのぼらなくなっていたが、『火花』も製作が進んでいるらしいし、またホットな存在になりそうだ。
筆者は1月号の記事で今年の7つのポイントを挙げた際、SVODについては目新しい大きな動きはなく静かに成長を続けるだろうと書いた。だがそれは誤りだったと認めざるをえない。このNetflixの件に限らず、意外に大きな動きが巻き起こりそうなのだ。これから始まるであろうSVOD界の新たな動きについてさらに書き進めたい。(ここから先は登録読者のみ)
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