テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2016年01月号

ソーシャルテレビ推進会議・12月定例会レポート「東京広告協会・大学生意識調査プロジェクト」

2016年01月29日 17:59 by sakaiosamu

1月最後の記事は、筆者が運営する勉強会・ソーシャルテレビ推進会議12月定例会合の様子をレポートしよう。 

なお、Media Border登録読者はこの勉強会に参加できるので、お申し出を。月に一回のペースでこうした定例会を行っている。(発行者の境治までご連絡を sakai@oszero.jp https://www.facebook.com/sakaiosamu)

さて12月の会合は、クリスマス直前の22日に六本木の日本マーケティング協会セミナールームをお借りして開催された。年末気分あふれる日だったこともあり、特別なメニューで進行した。

東京広告協会という業界団体があり、毎年大学生を対象にした意識調査を行っている。東京の5つの大学の広告・マーケティング関係の担当教授に協力を得て行ってきたもので、調査を行う側も学生だ。言わば、「学生による学生の意識調査」だ。同協会の石川ひとみ氏の仲介により、この調査の結果を、学生さんたち自身で発表してもらえることになった。

2015年の調査のテーマは「SNS時代を生きる大学生の行動モデルに関する意識調査」というタイトルで、大学生がソーシャルメディアをどう使いこなしているかという、まさにいまの時代にふさわしいもの。首都圏の大学生に対し、調査員となった学生たちがていねいに聞き取り調査を行ったそうで、非常に密度の濃い内容になっている。

勉強会参加者は業界人中心でラフな格好をした中年が多い中、きちんとスーツを着た男女の若者たちが礼儀正しく座っていて、いつもの会合とは違うさわやかな空気が流れていた。

調査を行った18名の大学生が会場に来てくれたのだが、その中から8名がパートごとに発表してくれた。

調査の結果はPDFにまとめられており、誰でもダウンロードして閲覧できる。

→東京広告協会WEBサイト「大学生意識調査報告書」ページ

まず総括として語られたのがこれだ。

 

発表全体のひとつの核にInstagramがあり、いまの学生たちがこのツールをいかに使いこなそうとしているか、そこに価値を見出しているのかが語られた。

 

発表ではまずSNSの役割がここ数年間で大きく変わっていることが説明された。少し前のSNSは「ふだん会えない人とのつながりを保つ」ための利用が多かったが、いまはもっと身近な友達と密接に連絡を取り合うツールになっている。中心となるサービスがmixiからLINEに移ったことが大きいのだろう。LINEについては「大学生にとってのライフライン」だと解説された。

驚いたのは”グループトーク”で、一対一の”トーク”と同じくらいグループで利用され、ひとり平均45ものグループを保持しているという。グループのタイプは、「いつも一緒にいる友達と会話」や「クラスやサークル、バイトなど所属団体の連絡」が多い。まさにライフライン的にふだんのつきあいの延長線としてのSNSなのだとわかる。

面白いのがTwitterに関してで、「つぶやき減少、閲覧増加なう」というタイトルで説明された。Twitterには炎上やトラブルが多いイメージがあり、自分から積極的につぶやくより、情報収集のために使う若者が多いのだ。発表者の学生たちの個人的な印象としてTwtterをあまり前向きに捉えていない様子が感じられた。一方でTwitterの利用率は決して大きく下がっておらず、イメージと普及度のギャップが興味深かった。

発表がInstagramuの話になると急に生き生きとしてくる。Instagramには「おしゃれ」「先端」のイメージが持たれており、写真をいかにセンスよく加工してアップするかにエネルギーを注いでいる。発表者の学生たち自身がInstagramを肯定的にとらえているのが明らかに見てとれて面白かった。加工アプリも平均4.7個も持っているそうだ。

最後に、調査結果から導き出した大学生の行動モデルを、IGSAS(イグサス)と名づけて、イイね!からはじまって途中で写真を撮り、拡散していく様子をアルファベット化した言葉を発表した。

この日の会合は、後半同じ会場で忘年会として2015年最後の懇親会を開催した。学生たちもそのまま残ってくれ、中年業界人が興味津々で学生たちのメディア生活をヒアリングしていた。参加者が持ち寄ってくれた品々を賞品にクイズ大会も行い、楽しいひとときとなった。

2015年は一年間毎月欠かさず定例会合を行うことができた。メディア界隈でいろいろな新しい出来事が次々起こった一年だったがその分、この勉強会も盛り上がった。2016年もますます刺激的で楽しい会合になりそうだ。

 

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