テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2016年01月号

テレビとネットの2016年、何が起こるか?〜その1・テレビのネット配信の影響広がる〜

2016年01月04日 13:07 by sakaiosamu

Media Border読者の皆さま、明けましておめでとうございます。

今年もMediaのMorderぎりぎりを取材し、皆さまにお伝えしていくのでご期待を。

さて新年最初の記事は、ありがちながら一年の予測を書いてみよう。テレビとネットの最前線で2016年、起こりそうな事柄、進みそうなトレンドを想像してみる。まったく新しいことが起こるというより、ターニングポイントとなった2015年が過ぎて、曲がり角を曲がった先にあるのは何か、というのが今年ではないかと考えている。

テレビとネットの2016年、私が挙げたいポイントは以下だ。

  1. テレビ番組のネット配信さらに進む
  2. 動画広告がやっと本格的に盛り上がる
  3. 視聴計測がホットな議論になる
  4. ライブ配信が急速に盛んになる
  5. ソーシャルテレビが再び活性化する
  6. SVODは静かに広がっていく
  7. 同時再送信も着々と進む

昨年は、TVerがスタートしたこととNetflixのサービス開始が2つの軸だった。今年は言わば、”その延長線上”で物事が進んでいくと私は見ている。つまり、テレビ受像機もスマートデバイスもすべてテレビになる、というとらえ方がますます具体化する、ということだと思う。

ここからは、二回に分けて個々の項目を掘り下げていこう。

1. テレビ番組のネット配信さらに進む

2015年、テレビとネットの融合の括りの中で最大の出来事がTVerのスタートだったろう。2016年はさらにテレビ番組のネット配信が進みそうだ。

年末にTVerをのぞいてみたら、かなりの番組にCMがついていて驚いた。それまで、個々のテレビ局のサイトでやっていた見逃し配信は、最初にスタートした日本テレビ以外はCMがついていることが少なく、自局の番宣を流していたことが多かった。だがTVer登場で状況が変わったように見える。

これは別の要因もあり、上半期にやや行き詰まっていたテレビCMの受注が10月以降活性化し、電波のほうに空き枠がなくなってきたのだ。CMの量がオーダーに届かない際に見逃し配信を勧めているのだと聞いた。

こういうところにTVerを起ち上げた意義が強く出ていると言える。"TVer百万ダウンロード達成!"という状況の中、「放送のCM枠だけだと足りませんがTVerどうですか?」とセールスしやすいのではないだろうか。売る側にとっても買う側にとっても"百万ダウンロード”というのはわかりやすく響くのだと思う。”わかりやすさ”はビジネスとして定着する際に非常に重要だ。

一方、関西キー局である讀売テレビが1月8日から見逃し配信を自社でスタートすると、12月に発表された。

→讀売テレビのリリース 

すでに毎日放送も見逃し配信をはじめており、今年は関西キー局で同様の動きが進むかもしれない。そうなると名古屋や札幌・福岡などでの検討もはじまりそうだ。また12月のインタビュー記事でもふれたGYAOの「ご当地テレビ」も番組が増えるのではないか。

→GYAO「ご当地テレビ」

テレビ番組のネット配信は、”融合”の核となるべきテーマだったがなかなか進まなかった印象がある。それがここへ来ていきなり具体化しはじめ、さらに加速度がついてきた。CM枠のセールス動向も含めて今年もっとも注目するべき項目だと思っている。


2. 動画広告がやっと本格的に盛り上がる(ここから先は登録読者のみ)

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