テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2019年08月号

放送同時配信 私が「地域制御、常時同時」にこだわる理由〜塚本幹夫氏寄稿〜

2019年08月06日 11:20 by sakaiosamu
2019年08月06日 11:20 by sakaiosamu

Introduction
NHKの常時同時配信が年度内にはスタートすると言われている。一方、民放サイドも同時配信の準備を着々と進めているようだ。MediaBorderと併せて月に一度開催している勉強会「ミライテレビ推進会議」では7月の会合で塚本幹夫氏に現状と課題を報告してもらい、会員同士で意見交換をしてもらった。それを受ける形で塚本氏が常時同時配信に関する寄稿をしてくれたので掲載する。この機に読んでもらい、みなさんにとっての議論にも役立てていただければと思う。

書き手:株式会社ワイズ・メディア 取締役メディアストラテジスト・塚本幹夫

去る7月31日に行われた「ミライテレビ推進会議」。境治さんが問題提起者。私が報告者として「今年度開始!NHK常時同時配信の展望と課題」についてディスカッションをしました。硬い話題ですし、皆さんのお立場もあるのでどこまで本音の議論ができるか不安でしたが、実情や思惑が垣間見ることが出来て面白かったと思います。

さすがにこの会議に出席されている皆さんは放送の現状に危機感をもっているので、放送同時配信に真っ向ネガティブな意見はありませんでした。しかし「常時」となると放送業界サイドからは「そこまでは必要ないのでは」という見解があり、一方ユーザーサイドからは「何で日本だけスマホで放送が見られないのか」というごもっともなご意見も出てきました。地域制御についても、ネットだから地域を超えて観られるようにすればいいという、一見その通りというご指摘もいただきました。

ちなみに会議の場では私の意見は極力封印したつもりです。なので、なぜ私が5年以上にわたって「地域制御、常時同時」配信にこだわってきたのかを、この場を借りて整理したいと思います。

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